そのカトチの新譜『蟻と梨』、アリ盤収録の「I Want To Be Your Sunshine」が、全体の中ですこし気配の違う、たいへんいい曲で、ゴンチチのラジオ番組でも紹介されてたという、それをライブなんかで聴けば「いい歌だねー」と言ったりできるんだけど、家で一人で聴いちゃったりすると、泣いてしまって、もうなんか、一日終了してしまう。あ、いい歌なんですよ。
歳のせいか涙もろく、かつまた泣くとひどく消耗するようになってきておりますので、こうゆう曲は、上等の干菓子やなんかと一緒で、味わう余裕のあるときにすこしだけイタダクのがよろしい、と思った。
カンカンに入れて水屋の高いところに仕舞っておくのだ。
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昔のほうが良いとも思わない、負け惜しみかもしれない「酸っぱいブドウ」かもしれない。
なかったものがあってあったものがなくて。できなかったことができてできたことができなくなって。
我が身世に経る、いいえ我が身でなくたって、時間の経つのってむりやり知らないところに連れてこられるみたい、そんで次々ハシゴ外されていって。
昔になんかなりたくないのになってしまう、年なんか越せなくていいのに越してしまう。
拠り所の無さ所在の無さ。
それでも「昔はよかった」と言うのはイヤ。
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先日、ものすごく久しぶりに家ですき焼きを作った。ひとりすき焼き。自作するの久しぶり過ぎてヘット(牛脂)もらってくるの忘れた。でも旨かった。
なぜすき焼きか。突如、とき卵でからめた肉、を食べたくなったのよ。
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数年ぶりだかに美しう整えて爪化粧したところを狙ったかのように、差し入れで天津甘栗頂く。
思えば今どき「剥いちゃいました」系ではない甘栗も、何年ぶりに口にしたか。よりによってこのタイミングで。