うるおいは、お肌や細胞にも良いが雑菌にも快適培地になり得るのである、そういう意味で湿潤療法って慎重さを要するよなー。破傷風菌は嫌気性なので「潤ってて尚且つ密閉」って完璧パラダイスだしなー。
その後のわしわしの指は順調っぽい。七分搗きのお米のような指先である、さきっぽすぱーん。
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ありちゃんのパラダイスはおいしい肴とお酒、鈴鹿市平田町駅前にあった。
いやこれ連れてってもらわなかったら絶対素通りだわと誰もが確信する廃業感溢れるたたずまい、看板も出てないし暖簾も出てない、いやいや外壁の看板は一応灯ってるのかな?と思ったら街灯が反射して明るく見えてるだけだった、なんて秘密基地的な。
でもお店のカウンターは開店20分後にはもういっぱいで、その後にもちょいちょいお客さんが来ては断られ空き確認の電話が鳴っては断られ、平田町の超人気店なのだった。
そそられるお品書きの数々に焼酎の甕、そして幾多のワインのボトル。くらっとするパラダイスだよ。お品書きにお値段が書いてないとこがこれまたちょっとドキドキ感あるよ。冷蔵庫(ワインセラー?)になんかROMANÉE-CONTIってラベルが貼ってあるのはインテリアなんだよねえ、そうだと言ってね、ドキドキ感滲み出るよ。
さてカウンターに腰を下ろすと目の前に素敵な冷蔵ショーケースが貝まみれである。一行はトリ貝・赤貝・バイ貝の貝盛りとスミイカ・赤イカ・アオリイカのイカ盛り合わせ、あとぬたなど頼んで春の恵みを寿ぎながら、ありちゃんが田植えから参加しなかったしぼりたて純米吟醸原酒(鈴鹿川)頂く。
新鮮イカ刺しは塩とオリーブオイルで頂く方式。イカ刺しにこの食べ方は初めてだ。
いやなんかこのお酒、本来は酒蔵の企画で参加有志が蔵の人の指導を仰いで田植え、稲刈り、仕込みなどの酒造りを半年がかりで体験して(参加有料)、さいごに皆で作ったその年のしぼりたて原酒が記念に貰えるという特別頒布酒らしいのであるが、せっかく参加したにも関わらずありちゃん多忙すぎて半年間1度もお酒造りに行けなかったといういわくつきのお酒で。見知らぬ皆で作ったけどありちゃんが作れなかったお酒。この場合ありちゃんはただの「出資者」ではあるまいか。
そんないわくはさておいて、日本酒、それもしぼりたて原酒ってすんごい香りのいいものだったんだな〜って改めて思う一品であった。もやしもんの世界。シメは大矢知の冷麦で作る魚介パスタ。絶品。やっぱり金魚印よね。
この並びの中のどれかがパラダイスである。そして他は正真正銘の廃店舗ぽい。本物を当てろ的なゲームだとしたら結構な難易度。
2時間ほどでお店をおいとまし、そのあと何故かまだ春浅い白子海岸に向かう一行。
浜辺の懐っこい黒にゃーとひと時のふれあいタイム。ぴっとりくっついてくれてちょっと嬉しい。風除けにされただけと知っていても。
飲して食して夜の浜辺散策して、春先の鈴鹿とパラダイスを堪能していたなあ。最近近場で旅気分を満喫しているわしわしである。こういう日帰りちまちま旅っていいね。