公演期間折り返しの月曜日。明るい午前中の七ツ寺前、イケリョウに会うなり「髪の毛ツルツルですね」と言われて咄嗟に「なおちんに聞かせられない言葉!」って頭に浮かんでイケリョウの挨拶に返答できず。何に反応してるんだわしわし。
髪の毛ツルツルなのは純黒に染め直したから~。
茶髪っていうほど茶髪じゃないけど少し明るめの茶黒にしてたんで黒髪に戻したくて、でも時間なくて、カラーリンスで黒くしようとしたけどあんまり変化なくて、カラーリンスって白髪しか染まらないのなあ?、で、やっと黒染めをしました。
夏休み明けの高校生御用達みたいなヘアカラー買ってきてさ。
暗記ガムと転換アンチョコで必死にこなした舞台もなんとか中日には落ち着いて演技プランを考えられるところまで来ました。あるんです演技プラン。死人の演技プランが。
3ステージ目だったか、目を閉じる前に明転しちゃって瞼閉じるタイミングを失い、ずっと目見開いてた。終演後に夢二さんから「過酷な演技プランを選択したんだと思いました」と言われる、いやうっかりですと説明したらイケリョウが「じゃ閉じてあげればよかったですね」と言うのでその提案を採択して目口半開きの死人になる。イメージはジョン・エヴァレット・ミレイ描く「オフィーリア」です。恍惚とした表情で死の渦に飲み込まれていく女性。
ミレイのオフィーリアでいく、と決めてから、登場から舞踏会(「パラノイア・ターン」池田振付)までの流れが頭の中で繋がってとても気持ちが良かった。
火曜。珍しく、おーしまが観に来てたらしいです。「カシワさん出てきた瞬間に声出して驚いてましたよ」とこじくんからの報告があり、本人からも申告がありました。「出てるの知らなかったからゲッて言っちゃったよ」ですって。ゲッて。言うにことかいてゲッて。文豪、ヒドい。
終演後は足早にそそくさと帰っていったとのことです。おーしまにはこの芝居イヤだったかもしんない、ラスト近くの連続ダンスの辺りとか。言い訳はしません、これが今お見せできる王者舘と天野天街のベストです。
昔おーしまが「今の王者舘には死んでる人がひとりもいない」って言いかたをしてたっけな、何もせつなくないって。そうなのかもしんない。死の向こう側からの望郷や恩讐やら、そんなものがそこはかとなくかもせればいいなと思うのだけど(死人の役だからというんじゃなくて)、なかなかホンモノの山姥にはなれません。なかなか。