2017年11月10日金曜日

終了と片付け

そして『人工恋愛双曲線』全10ステージを恙なく終えました。おめでとうございます。ありがとうございます。
約10年ぶりの舞台復帰でした。アンケートには「新人の身体訓練がなってない」と書かれていましたがわしわしのことだと確信します。30年目の新人です。永沢さんにも「トウの立った新人がいるなあ、カシワに似てるなあ」と思われてました。水商売でお店変わるたんびにニューフェイス入店って冠するみたいな、そのたとえもちょっと違うな、まあいいや。
そいやダンス稽古中、「(役者を続けているうちに)急に身体が動くようになる瞬間がくるよ、今がそれだよ」という30年前ニワシュウに掛けてもらった言葉を思い出してました。あの頃維新派はまだ日本維新派でした。ニワシュウも松本さんも鬼籍の人におなりです。

稽古期間含めてもたったひと月、なんだかいろんなことがあった気がしますしアッというまの気もします。まあ、そういうものですね。泣いたり笑ったり雨降ったり台風来たり晴朗なれど波高かったり小屋入り直前に男と揉めるよーな揉めないよーなこちゃこちゃこちゃこちゃしたり寒かったり暑かったり熱出したり。
どう考えてもこれは風邪の発熱の前触れ、という体調で楽日を迎えたためせっかく好きな舞台なのに最後の記憶が朦朧としてる、解熱剤で乗り切りました。微熱でぼーっとしながら舞台立ったこの感じってなんか身に覚えある、あ、IKILLの大阪公演だ、と思い出す。頭がぽーっとね。

あの様な構造の装置ですので出演者による舞台転換が多く、これがまた転換稽古も少なくて大変だったのだけど泣かされたのだけど決まるべきタイミングで決まるべき形に決まるととても気持ちが良い。目の端にチラッと上手側の舞監さんと同時にハケれたのが見えて心の中でガッツポーズしたり。

苦手のLED照明下の重ねだって全部綺麗に重ねられるととても気持ちが良い。なかなか難しい。難易度のぶん達成感が半端ない。
直前の場面のそれぞれの会話の台詞が重ねることで一続きの長い文章になる、そういう仕掛けに泡坂妻夫の『生者と死者』を連想した。袋とじのプロローグなのです。

面白い作品だったと思うんですよ。変化に富んでて。案外ちゃんと、不木的なエロもグロもナンセンスもとんちも織り込まれてて。なんだかちょっとだけ現実の猟奇事件とシンクロしたような場面もあって。
去年見た例の予知夢?ではもちくんと台所の片付けをしながら「再演したいね~」とか言ってたっけ、解決編というか伏線回収編をやってもいいんじゃないかとは思う、でもこれはこれでこういう場でこういう作品でいいかとも思う。
こういう記念写真はゆうごりんぽいな。


千秋楽翌日は恒例の倉庫整理、今回はあまり恒例ではない大廃棄大会でした。破壊あっての創造です、古いもの捨てて新しいもの作りましょう、わたしたち。