2013年2月20日水曜日

天上の幾何

金曜日は猫に引き止められて土曜に上京してソワレ観てそれから千秋楽まで3日連続観劇。毎度熱心なストーカーっぷりですこと。


 


人はなぜ踊るのかしら。


そして人はなぜ踊るとき口がとんがるのかしら。


 


ヒョーロンやヒヒョーがしたいわけじゃあないんですよと毎度言うけど今回も言う。


むかし海上さん(父)が言ってたなあ、どんなボロクソに悪く書いてるように見える時でも対象への愛があって劇評書いてるって。


わたし評論するほど相手に愛ないもん。自分の反応に興味あるから書いてるだけだもん。そこまで言わんでいいか。


ええと、感想その他。あくまで個人の感想とその他。


 


 


今回も叩き場表敬訪問してるしざっくりとプランも聞いているのに。


そんでも現物見てびっくりしたり「すげー」って思ったり。


言葉をもすこしなんか選ぼうとしても、出てくるのは「すげー」ですね。


スズナリの舞台上にどうやって多人数ダンスのアクティングエリアとバンドの演奏エリアを確保するのか、制約だらけの超無理ゲーっぷりを仄かに耳にしていたけれど、条件を全部クリアして更にその上に美術としてカッコイイ、立体の、赤錆た鉄塔、トラス構造、いや、イスラム幾何学の対称モザイクの意匠?


 


初回は後ろから4列目あたりで観る。ダンス公演だから全体が見えていいかな、と。


確かに全体はよく見えたんだけどそれは自分にはあんまりいい選択じゃなかった。と翌日、前列2列目で観て思った。


たとえば、スズナリの客席は高低差が結構あるので後ろの席だと舞台を見下ろす形になること。見上げた方が圧倒的に格好良い舞台だった。


あとダンスも。全体を見るより細部を見にいく方が面白かった。半端に遠くで見るとチラチラとした不揃いがマイナスに見えちゃって。


でもそもそも自分もロシアバレエ的な体格・姿勢から所作まで一糸乱れぬダンスを見たいわけじゃなくて。


オージャの、ちびっこはちびっこの、おっきいのはおっきいの、同じカウント・同じ振りでも柔らかいの切れるの色っぽいのたどたどしいの、無表情なの苦しそうなの笑ってるの、それぞれのそれぞれらしさがどうしょうもなくにじみ出しちゃう細部の差異が自分にはいとしく見えて、近くから見まわしたほうが面白かったのね。


これは個々の違いを積極的に見にいった方が良いなって。


間近で見ると、ひたむきさに心打たれるという「欽ちゃん加点」が、無いとは言い切れないけれど。みんな汗だくになって一生懸命踊ってるのよ、合格させてあげようよーって。(何に?)


 


とまれこうまれ、初回観覧後の感想と2回目観た後の感想が結構違ったのよ。でも感想とか話したのはもっぱら1回目の後なの。もうっ。もちょっとイイコト言えたよ!


 


3回目の観劇位置は最前列中央やや上手、望んだように後方・前方・最前方で観ましたが、選んだわけでも予約したわけでもなく、当日券で入ってそれぞれごりん神、神様、女神様の誘導に従って順番に詰めて座ったら、そうなった。ツイてます。


 


男踊りのシーンで、夢さんのダンスが変わったな…と思った。動きにケレン味が出てきたって言えばいいのかね?悪い意味の軽さが消えて。


後で夢さんにそんなことを伝えたら、並び踊る男衆がみな見栄えのする体躯なのですごく気合いを入れて踊ってたとのこと。気合いは、ふしぎと覿面に見え方に反映しますね。


その見栄えのする体躯、長い手足の海上さん(息子)が綺麗でした。


 


顔の造形的にはそんな似てないと思うのに、舞台上の坂井香奈美さんを時々ふっとアリちゃんに見間違える、表情の作り方が似ていると思った。


 


壁面がないし赤黒いし、映像の映えない舞台だなーと思う。今回は同ポジの効果がわからんかった。


衣装はプロジェクタ映えしそうなんだけどね。


ああ、あとね、塔の連想で空、青空が見たかったな。


 


それとブラックライトでバンドエイドが光ること、こまかく発見。


 


もちろんパスカルズの生演奏良かった、最初のメンキテーマからPatafisiskal Polskaでもう、うわあって。うわあって、もう。いろいろ思い出深い曲でもありますしね。


メンバーが日によって少し入れ替わるので回によって少し感じが変わったり。


斉藤哲也さんが参加してた17日の回がなんか鍵盤の音が厚い感じで凄く良かった、これも観劇位置の関係があるかもしれない、でも夢さんも「15日よりアコーディオンの音が重厚だった」と言うてはったので、何か具体的に違ったのかもしれない。かもしれないかもしれない。スピーカーちょっとずらしただけでも聞こえ方が変わるしね。


 


土曜は栗ちゃんと美術・舞監系メンバで飲み行き、夜アゴラ泊。


翌日は渋谷泊。初アパホテル。35時間プランとかいう意味の分からない(そして極めて有難い)長時間滞在プランのおかげで荷物置きっぱなしにできてとてもラッキー。


あとアパホテル、ダブルルームのシングルユースでも2人利用でも値段一緒なのね。部屋単位の課金みたい(予約時期によるのかもしれないけど)。使いようではかなり安く泊まれるはず。


宿泊予約サイトには渋谷駅からの行き方しか載ってないけど神泉からのが近いです。裏道通れば神泉駅から2分半。神泉好きなのでこれもなんとなく嬉しかった。


そしてアパホテル、内部もやっぱりあの社長のブロマイドが至るところに。顔写真入のレトルトカレー・カップラーメンも販売中。


 


下北沢の行きつけの猫カフェは函館に移転してました(移転先は金ちゃんから聞いた)。


 


土曜の飲みは前日メンバに坂本さんとか映美さんとか音楽系増量で。


「おら山形だから日本酒ずら」


「孤独のグルメのゲストコーナー出演された時、久住さんを先導して『これは日本酒でしょう!』って言ってましたね、あれおっかしくて」


「あれ!後から見たらあたし完全に酔っ払いだったね!」


後でそうとうたくさんの人から言われたんだろうな。サイコーでした。真夜中にテレビの前で声立てて笑った。


この晩のイチオシ酒は日本酒じゃなくてハイマッコリでした。危険な飲み物考案。


 


本番の後の写真すこし。 


 


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客席後方上手から。全体的に見下ろす感じ。 全体がひと目で見て取れる。


 


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転換後。最前列下手から。 


 


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最前列下手側から。 


 


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ぴょんと顔出すさっちゃん。