海外で客死した方の遺体輸送を専門に行なっている会社があるとかで、そのドキュメンタリ本が昨年の開高健賞獲ってた。(『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』)
アルジェやグアムやの事件事故テロのニュースを見るたびにその本のこと思い出す。でもなんか本屋さんで目にしたこと無いのね。今宣伝したら売れそうな題材だけど宣伝しづらい雰囲気かもしらん。
もちろん「乗客」扱いじゃないだろうし、税関の手続きとかどうなってるんだろう、一般には知られない世界だ。知らないでいられる平穏。
◇
怖い話ひとつ。
批判していた対象と同じ穴に落ちる、という話。
「あの人は勝手にマイルール作って仕事するから困る」と言ってた人が、その人が去った後、マイルールで仕事して周囲に迷惑をかける、
「メンヘラ様は鬱だ欝だって言ってればまわりが気を遣ってくれるからいいよな、俺も鬱になっちゃいましたって言っとこうかな」と言ってた人が鬱で引き篭もる、
「女にだらしない男ってのはもう立派な病気だな」と言ってた人が女性関係でぐだぐだになる、
「あの子は宗教入ってるから」と嗤ってた人がスピリチュアルにはまる、
新興宗教相手に「脱洗脳」やってた学者が「聴くだけで成功するCD」を監修する…
あ、いや、最後のは意味あいが違うな、あれは単なる「理論」と「実践」だ。転向したわけじゃない。むしろブレない。
まあそうしてそうなって、かつて辛辣に批判していた相手とおんなじことやってる人って結構いる。
あれはなに。もともと同族嫌悪みたいな心理から端を発してたってこと。それとも強烈に記憶に残った他人の行動って脳のどこかで自分の行動の水路として刻まれちゃうの。自覚はあるの、無自覚なの。
そしてそうしてそうなって、わたしもかつて口を極めて罵った誰かと同じ轍を踏んでいるのかしら。自覚もないままに。
◇
常におでかけの気配をいちはやく察知して阻止しにかかるねねむさん。
行かないよね?
お休みは一緒にぬくぬくするんだよね?
◇
古い雑誌を読み返していた。
古い広告が載っていた(アタリマエ)。
シャープのワープロ、49万8千円。(この時点では「小さな書院」はまだ商標じゃなくてキャッチコピーか?)
蛍光ピンクのレオタードの浅野ゆう子。
ワープロを使えばレポートもスポーツ感覚になる!
なんかもういろいろ凄すぎる、1984年。