舞台の魅力ってなんだろうなあ、と時々思うのです、何にも残らないしやり直せない巻き戻せない。
場に居合わせる、その現場に立ちあうということがこんなにも貴重です。
やる方も。観る方も。
だからねこれはと思ったらちょっとぐらいは無理してでも居合わせなきゃなんですよね。
東京三日目。
場所によってはまだミンミン鳴いてて驚いた。
もう10月も近いですのにね。
土曜はマチネもソワレも一時間ずつ開演早く、あれっだったら余裕でソワレ後帰名できるなあ、と今さら気づき。
4ステージ連続で観るのがいるとはやってる方も思わなかったでしょうが、わたしだって計画外のことです。
というかすべてがノープランなんだけど。芝居は当日券で新幹線は駅についた時乗れるやつで。前売り入手とかぷらこ予約とかができない1週間だったんですよ。体調悪かったし。
4回目観て帰ることに決めた時、ハイジさんが「いくらなんでも4回目はタダで…」と気を遣ってくれたけど、今回は他所様のことであるし、ながらく芝居とか芝居の制作とか関わってて「賞賛につりあうだけの興業収入が欲しいよう」と切実に思ってきたので、お申し出はありがたく断る。価値は、あると思いますよ。お金のことだけではなく。
しいて言えば脚本がもう少し良ければな…とは思いまして、それが残念でした。
長い状況説明の後でやっと動き出したと思ったら終わっちゃう感じのストーリー展開なんだよねえ。どうも勘所が。
語り手の物語上の役割もなにか半端な感じで。お能で言えばワキですね、異国から来て土地の謂れを聞いてシテの見せ場に立ち会って。
いやさそれを言ったら能楽(夢幻能形式)も要約すれば、長い状況説明の後に動き出したかと思ったら終わる、ていうスタイルなんだけどさ、こういうことじゃないぞと。
なんだろうねえ、もしかすると構成次第ではもすこし面白く観られたかもしれない。
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一週間ほど遡って。
残暑厳しき中での美術製作作業。看板描く田岡さん。
美術家がなんで裏に入ってるんですか。
と、何人もの方から言われたご様子。
もういっそ配役表に「バオバブ・田岡一遠」とか「倒壊建物・小森祐美加」とか載せちゃえば、くらいの。
すごい転換の回数でしたね。
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名古屋に帰ったら台風来てた。
今回の舞台、「暴風雨が近づいてる夜に満月が見えるもんかい」と思って観てましたが、すみません、台風直撃の夜の名月、美しいです。