化石の葉、化石の魚、化石の水、化石の光。
時間の珪化。かたく。堅固に。
骨なんかは脆い。もっと堅固に。
おきかわる。
「いとしいひとよ、ぼくの幸福感だけは残りつづけるだろう。(※)」
重なる層を払って再び晒される。
だれもいない。なにもない化石の森の、珪素のひそやかな賑わい、
と、残りつづける幸福感。
※ ウラジミール・ナボコフ「ロシアに届かなかった手紙」からの引用