上京。
国立近代美術館フィルムセンターで「チェコの映画ポスター展」
出光美術館で「仙厓と禅の世界展」
竹久夢二美術館で「小林かいち展」
珍しく東京東部をぐるぐる回りました。
いつもは下北沢とか新宿・渋谷周辺でぐるぐるするから、東京駅とか上野駅周辺散策はなんか新鮮。
京橋交差点あたりを歩きながらグランシャトーのCMソングを鼻歌する。京橋はええとこだっせ、あ、その京橋じゃない。
そしていつもはいかない辺りを巡ったもんで、日比谷駅と有楽町駅の構造とか知らんで入る必要のない改札を入っちゃったり難儀しました。
つか、天気よければ歩く距離だよなこんなのと思いながら京橋-日比谷間を地下鉄移動しました。
チェコの映画ポスター展は「チェコ映画」のポスター展じゃありません。
チェコで公開される時に現地の配給会社が製作したポスターなのんで、アメリカ映画のもフランス映画のも日本映画のもあり。
チェコ公開版『ゴジラ』のポスターに描かれたゴジラは、半魚人みたいな顔をしていました。
あと小林正樹監督・仲代達矢主演『切腹』のチェコ公開タイトルが『HARAKIRI』でした。まあその、まんまなんですがね。
フィルムセンターは入場料(200円)と図録(1200円)が安いのが嬉しいです。
この後どっかでランチ食べて根津の竹久夢二美術館に行くつもりでしたが。
ロビーで仙厓展のチラシを見かけ。
今やってるんだ、日比谷か、じゃあいこか、と急遽予定追加。
江戸時代の禅宗のお坊さんの禅画ですね。
出光美術館にコレクションがあることを今回はじめて知った。
禅の厳しい教えが絵にこめられているわけですが、うん、そうと知って見てもしりあがりさんの墨絵と見まごうよ。
しりあがりさんの漫画も禅問答っぽいけどな。
イイ笑顔でしょ。
「死」や「老い」を描いた絵も文もどこかコミカルでほほえましいなと。
出光美術館の入館料は1000円、展示を見終えた後で皇居と東京駅を見下ろしながらソファーでゆったり給茶機のお茶をいただけるので雲の上のひとになった気分が味わえてよろしい。
3件目は根津の竹久夢二美術館で小林かいち、いつかやりそうだなとうすうす予感してましたがやっぱり「今日は小林夢二展に行ってきます」と言い間違えました。
小林夢二展。何が展示されてるんでしょう。気になります。
いわゆる谷根千ってエリアですか、根津あたりは晴れてればにゃんこがあちこちいる猫町だと聞き及んでおりますが、あいにくの雨と時折の強風で猫見られず。
猫好きに有名な「猫町カフェ」も時間の都合でパス、目的は小林かいち展に絞りこみ。
松本かつぢ展、高畠華宵展、常設の竹久夢二展を足早に流し見して、小林かいちの展示室。
すごく良かったです。
絵のね、デザインとかもすごく良いんですけどね、木版画の技術の凄さにも見入りました、色の重なり方とか繊細なボカシとか、金で縁取ったラインとか、すごい美しいんですね、これは図録の印刷だと再現できない。
大正・昭和初期の絵葉書ブームの頃ですから、絵描きさんの画法や画風に伝統的なものと西洋的なものがミックスされて一種独特の異国情緒や時代感を醸してると思います、で、印刷する側も、彫師さんや摺師さんが、江戸時代の浮世絵版画で完成した技と西洋から入ってきた技術や道具をミックスして、この時ならではのことをやっていたと思うんですね、
…いや資料はないけどたぶん。
色味は江戸時代の藍や墨色とは違うし、明治初期の版画に大流行した紅色染料でもない、今現在のインクの色に近い気がするけどこれも当時は印刷業界最先端の染料(顔料?)だったのかなー、…とか想像するね。
かいちの本職は京都友禅の図案家だったとかで、金色の使い方は琳派の流れではないかという解説も見ましたが、琳派よりはやっぱり同時代のエルテとかクリムトとかの影響なんじゃあないかと思う。ジャポニズム逆輸入。文化って面白い。
現代の彫師・摺師さんが復刻したかいち絵封筒の販売もありました。ロストテクノロジじゃないことがわかって嬉しゅうございます。
まあ、購入したのは復刻木版刷りじゃなくて印刷の絵葉書セットなんですが。
でもこっちもなんか普通のプリントではない感じ、なんか凝ってる。
◇
夜、アゴラでの前日打ち上げに誘われる、が、本番観る前に打ち上げ行くのもなんだか、で、有楽町で夕食&ガールズトークとしゃれこむ。
おばちゃんのガールズトークは他人のゴシップが8割よ。