「藤原の効果」という聞きなれない気象用語を耳にして、ふっと「コリオリの力」という物理法則が意識の表層に浮かんできた。
何十年前に習った言葉だろうなあ。このまま一生思い出さなくても生きていかれる単語だったなあ、きっと。
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マナカのICチャージ機。
千円のチャージに万札を入れますと、じーーっ、じーーっ、じーーっ、じーーっ、…って一枚一枚じっくりとお釣りの札が出てきます。
忙しい朝、背後に並ぶ人の列を感じながら「なんだこれはイヤガラセかっ!?」と思ったという利用者が、知ってる範囲で3名ほどいてはります。
名鉄のチャージ機にはわざわざお知らせが貼ってあった。
「1000円札で1枚づつ放出されます」
放出…ですか。
あとやっぱり名鉄で、なんか新鮮だった単語。
「扉扱いをいたしません。」
扉扱い。
使ったことのない言葉、扉扱い。
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先日、はじめて根津の竹久夢二美術館へ参りましたときに。
趣きのあるお庭が素敵だなあと思って見ておりますと。
こんなこともしているという。
コスプレファンには堪りませんね。
ていうか、
なんか駆けつけてはるし。
おまけ画像、おばちゃんの和コスプレ
珍しくおはしょりのある着方をしたので着付けチェックに自撮り。便利な時代だ。
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連城三紀彦亡くならはった。
大門あたりの、「遊郭」の風情を残す建物の近く通るとこの人の長編『秘花』思い出す。
20年以上前、連城三紀彦と川原泉の対談が出版社の広報誌に載って。
恋愛ものを書くということはいかにその恋愛の障害を設定するかということだ、的な話で二人で盛り上がってて、ああ、そうか、そうゆうもんか、と納得したもんだ。
極端な年齢差、とか、警官と女子高生、とか、異父兄妹、とか、一筋縄じゃいかないところに妙味があるのね。
恋愛を描くことは恋愛の障害を描くこと。
家族を描くことは家族の解体を描くこと。
空を映すことは流れる雲を映すこと。
ものがたりの眼は、動くものしか見えないカエルの眼に似ています。