2013年10月31日木曜日

陽樹の極相

ちょっと厚手のカットソー素材のロングワンピースを着てた。


ほしたら何人かから「それって、コート?」と訊かれた。


「いや品名はワンピースだったんす、ていうか、コートだとしたらわたし今日一日室内でコート着て仕事してるってことすよ」


「そっか、ワンピか」


同じ会話を複数回。


 


昔似たような服着て美容院行った時に、受付の人に「上着お預かりします」「コートお預かりします」って何回も言われて断り続けたことあったなあ、だってワンピだもん下は肌着だったんだもん。


無地の前開きロングワンピは難しい。


 



 


なんだっけ、「最適を追求する生物は滅びる」だったっけ?なんかそんな逆説みたいなのなかったっけ。


繁殖繁茂のクライマックスに向かうと陽樹は枯死する、みたいな話。


「部分最適」の譬えだったかな。


 


そうは言われても最適を目指しちゃうよね。


どんな病気も克服したい、長生きしたい、ていうのもそうだし、


仕事を効率化したい、機械化して単純作業から開放されたい、てのもそうなのね。


うん、結果、仕事も無いのに寿命ばっかりやたら長いという、貧民高齢化社会がやってきたのね。


 


…最近そんなことばっか考えてるなあ、暗い暗い、日本の未来も自分の未来も不安でね、必要とされていない人はどこへ消えたらいいんだろう。



2013年10月30日水曜日

没有

お寒くなり申した…


もこもこ系の肌着や靴下やマフラーを見かけると衝動買いしてしまいそうなこの頃。


マフラーやストールは定番をいっぱい持ってる、今年はスヌードだぜ!と見て回る。


スヌードって高価いのね…


「8000円?セーター買えちゃう!」とか思ってしまう、スヌードに求めるものとセーターに求めるものは違うのに。


 


毎年、夏になると白の綿シャツを、冬になるとタートルネックセーターを買う、季節の定番商品。


 



 


団子先生が死んじゃう夢みた、夢の中ではなんかそんなに驚きとかなくて「そうか、一つの時代が終わったか…」とかなんとか言って、冷静だった。


 


次の日はももちゃんの夢みた、旅公演の旅先の、打ち上げ会場の居酒屋の、大所帯で打ち上がってるのとは別室のこじんまりした個室で、並んでカレー食べてた。


「あっち盛り上がってるねー」「もうそろそろラストオーダーじゃない?」とかなんとか喋りながら。


 



 


一流ホテルレストランの料理人って。


「○○ホテルで修行した」とか「○○ホテル元料理長」とか、それなりに箔のつく肩書だったのに。


勤め先がああゆうふうだと、偽装に加担してたにせよ素材違いに気付かなかったにせよ、どちらにしてもとっても不名誉な肩書になっちゃいましたな。


上が阿呆やと現場が後々まで苦労する例。


 



 


いいとも終了。


昔みたナイロンの芝居、近未来って設定のやつで、


「お前ってほんと肝心なところで失敗するよな!いいともの最終回の録画頼んだのにみのもんた録ってるし!…見たかったなあ、タモさん涙ぐんでたっていうし…」


というセリフが出てきて、以来いいとも終了の噂が出るたびに思い出す。


平成25年、もうみのも録れなくなりました。


 



 


「栗きんとん」という言葉に栗粉を茶巾絞りにした例の栗きんとんを思い浮かべる人は、全国区では少数派である、と聞きました。


全国的には栗きんとんというのはおせちにいれるあのねっちりした蜜っぽいやつなんだそうで。


言われてみればそうかもである。


中部圏だと栗きんとんって言えば「すや派?川上屋派?」なんだけどね。


 


でもおせちに入れる栗きんとんもフツーに栗きんとんって言うし、同じ言葉で二つのタイプのものを指してしまうけど別にそれで混乱したこともないし言い別ける必要も感じない、そういう言葉の例は他にもたくさんありそうなんだけどとっさに出てこないな。たとえばなんだろう。



2013年10月25日金曜日

秋台風

「藤原の効果」という聞きなれない気象用語を耳にして、ふっと「コリオリの力」という物理法則が意識の表層に浮かんできた。


何十年前に習った言葉だろうなあ。このまま一生思い出さなくても生きていかれる単語だったなあ、きっと。


 



 


マナカのICチャージ機。


千円のチャージに万札を入れますと、じーーっ、じーーっ、じーーっ、じーーっ、…って一枚一枚じっくりとお釣りの札が出てきます。


忙しい朝、背後に並ぶ人の列を感じながら「なんだこれはイヤガラセかっ!?」と思ったという利用者が、知ってる範囲で3名ほどいてはります。


名鉄のチャージ機にはわざわざお知らせが貼ってあった。


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「1000円札で1枚づつ放出されます」


放出…ですか。


 


 


あとやっぱり名鉄で、なんか新鮮だった単語。


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「扉扱いをいたしません。」


扉扱い。


使ったことのない言葉、扉扱い。


 



 


先日、はじめて根津の竹久夢二美術館へ参りましたときに。


趣きのあるお庭が素敵だなあと思って見ておりますと。


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こんなこともしているという。


コスプレファンには堪りませんね。


 


ていうか、 


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なんか駆けつけてはるし。


 


おまけ画像、おばちゃんの和コスプレ 


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珍しくおはしょりのある着方をしたので着付けチェックに自撮り。便利な時代だ。


 



 


連城三紀彦亡くならはった。


大門あたりの、「遊郭」の風情を残す建物の近く通るとこの人の長編『秘花』思い出す。


 


20年以上前、連城三紀彦と川原泉の対談が出版社の広報誌に載って。


恋愛ものを書くということはいかにその恋愛の障害を設定するかということだ、的な話で二人で盛り上がってて、ああ、そうか、そうゆうもんか、と納得したもんだ。


極端な年齢差、とか、警官と女子高生、とか、異父兄妹、とか、一筋縄じゃいかないところに妙味があるのね。


恋愛を描くことは恋愛の障害を描くこと。


家族を描くことは家族の解体を描くこと。


空を映すことは流れる雲を映すこと。


ものがたりの眼は、動くものしか見えないカエルの眼に似ています。



2013年10月22日火曜日

秋ふかし

これはまたなんたるたわみ、なんたる歪み。


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本棚から本を引き抜くのが怖い本屋さん。営業中。


 



 


急に秋が深まった気がします。


金木犀の香りと芋名月。


 



 


実家。母と姉が誕生会してくれました。


いくつになったの、と母に訊かれて「43」と答えましたら、「一番若いね~」と言われまして。


そうだよおかあさん、ナオミは末っ子だからこの43年間ずっとうちで一番若い人なのよ。


天然ボケなのか脳機能障害のせいなんだか判然としませんがとりあえずナオミのツボにハマってしばらく笑う。


レストランではお店の人が記念写真を撮ってくれました。


姉がペンで「祝!」と書き込もうとして「税!」って書きやがりました。


みなボケてます。


  


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記念日だとお店からスイーツのプレゼントもらえる。フォンダン・ショコラいただきました。


 



 


しらなーいまーちーを、あるいーてみーたーいー。


突如永六輔的な秋。


秋はそうです。旅情とか似合う季節。


行ったことないとこをあてなく歩いてみたいこの頃。



2013年10月16日水曜日

ウィパー接近中

こないだ友貞さんとあれやこれやおしゃべりしたなかに。


新子さんの出した本がすごいって話になって。


新子さんが心理療法士だったか臨床心理士だったかの資格を持ってるらしい、という話はすごい昔に人のうわさで聞いたことがあるけど、


へえ、本も出しはったんや、後で本屋行って見てこよう、と思いつつするんと忘れてた。


ほしたら今日の朝刊に広告出てた。


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患者として都内の精神科に診察されて廻って、「初診の患者にいきなりこんな薬を処方するのはいかがなものか」というような評価をしてまわるという、精神科覆面調査というか病院ソムリエというか、都内ラーメン店グルメガイドみたいなのの精神科病院版、らしい。


すごいな。


お読みものとしても面白そうです。


 


イイ精神科ってどんなんだろう。


 


ふと絲山秋子の『逃亡くそたわけ』思い出す。


精神病院脱走の道行きの途中で薬の補給のために偶然立ち寄った山の上の診療所。


逃亡仲間の方言も自分の幻聴も意味不明で、「理解できない」ことがスタンダードみたいな世界ではじめて「あ、その幻聴『資本論』の一節」って言い当てた医者。


絶対二度と行かない(行けない)診療所で、たまたまその医者が資本論のそのセンテンスを知ってただけなんだけど。


なんか夢に出てくる最高の古本屋とおんなじにおいがするんだよね。もしかしたら唯一の理解者との邂逅だったのかもしれない、みたいなね。たぶんそんなことはないんだけどね。くそ田舎のてきとーな藪医者だったのかもしんないんだけどね。


 



 


たいふん。


やだなん。


会社、なに着てこう。


着替え持ってくのめんどうだなあ。


 


◇ 


 


コンパルのコーヒー好き。


親の代からコンパル好き。


コメダよりコンパルな名古屋っ子。


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秘妙な味。


他で聞いたことのない言葉、秘妙な味。



2013年10月13日日曜日

つるちゃん南へ行く

今回の東京滞在中いちばんびっくりしたニュースはリリナのラーメン屋閉店の報でした。


雑誌にテレビにと各メディアにも取り上げられ、常連さんもでき、今やけっこうそれなりに行列のできるラーメン屋に成り上がったと聞いた矢先のこの報せ。


しかもなんかもう過去形で閉店したっていうし。


その上なんかオキナワに移住するとかいうし。


あいかわらずだよりっちゃん。急展開についていけないよりっちゃん。


 


昔から、思い立ったらぶん!と行っちゃって、言い訳のない人でした。


いさぎいいよ、すがすがしいよ。


 


なんかちょっとひらめいたりあこがれたりしたところで、実にいろんな理由をつけて決行しない人がいっぱいいるというのに、


たとえば家族がいるからとか生活がかかってるからとか実績がないからとか不安だからとか…を、やらない言い訳にしないで、ひらめいた方へ、「良い」と感じた方へ、ぱっぱぱっぱと惜しみなく進んでいくりっちゃんはカッコイイなと思った。


 


さちあれ。



10月

意味はわからんがなにかイキオイのあるマンション。


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びばーん。


がびーん。


しゃざーん。


 



 


社会全体がどんどん不寛容になってきているような感触があるんだけど。


余裕が無いっつうか。


でもあれか、余裕があって他者に寛容な社会のほうがむしろレアなのか。


失敗すれば腹を切り規格にそぐわねば河原に捨ててきたのがニッポンだもんな。


生き延びないヤツラの方がマトモに見える時があるわけですよ、一時の感傷でしょうけどね。


御身のはてぞいたはしき。


 



 


八雲もち。


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外見こんな。


食感ふにぷる。


その昔おおたうにが「老婆の二の腕のようなやわらかさ」と、食欲をそそらない表現で絶賛していた。


食べてわかる、あの表現かなり正確。


 


旨いよ。


 



 


かいちの絵を見た何人かから、カシワさんの絵に似てますね、と言われる。それは光栄。


もうちょっと太めの女性のほうが、描いてるぶんには落ち着きますけどね。


 


自分の中での分類。


・アール・ヌーヴォー…女性が肉感的でふとましい(ミュシャ、クリムト、水島爾保布、藤島武二)


・アール・デコ…女性が超細い(エルテ、バルビエ、竹久夢二、小林かいち)


 


脇の下や脇腹にむにっとしたしわが描かれていたらアール・ヌーヴォー。


紙みたいにぺらぺらしてたらアール・デコ。


様式上の正しい分類は知りませんが、わたしの中ではそうなっている。



2013年10月9日水曜日

いろいろあった

そう、有楽町で見た「無印の家」が、たいそう匠の家でした。…あまり、よろしくない意味で。


撮影とかならいいけど生活にはどうなんだろうっていう疑問がいっぱい。広い広い吹き抜け部もガラス扉のトイレも。


 



 


翌朝。渋谷VIRONでランチ。


日曜の11時半、人気店とありゃ、「本日はすでに予約でいっぱいです」、そうよねー。


が、「ただ、12時45分からのご予約のお客様がいらっしゃるので、1時間以内にお食事終えられるようでしたらご案内できますがいかがですか?」とのことで、ひとり飯にそんな時間かけないですわたし、そんなわけでフリの客ながら無事ランチにありつけました。


焼けた小麦の匂いとパリパリの皮ともちもちの中身、こうゆうおいしいパン久しぶりです。


隣席の女性が席を立ち際に「ああ、パン欲が満たされたー!」と歓声を上げておられました。その気持ちよくわかります。パン欲。あるよね周期的に来るパン欲が。


 


その後東急本店地下に立ち寄って、ものすごく旨いと評判の和菓子・目黒ちもとの八雲もちが曜日限定で入荷されてるのを発見、ここで会ったが100年目みたいな勢いでお土産に購入。


かんたんに解説するとカシューナッツ入りの羽二重餅ですが、言葉で聞いて想像したものとはおそらくかなり違うものです。すんごい旨かったです。


 



 


昨日は本郷キャンパス、今日は駒場キャンパス、おのぼりさんの東大巡り~


駒場に移動して、まだ開場まで時間あるのでぷらぷら周辺散策、古本屋さん発見。


なんかそのたたずまいが「いつか夢に見たような古本屋さん」で、大学が近いせいでしょう品揃えも渋め、これはぜったい何かある、と確信して棚を見て回ってずっと探してたマイナーな研究書を発見、美本、しかも500円。ひゃっほう。即購入。


ていうかこういう夢ぜったい見たことある、旅先の見知らぬ路地で見つけたちんまりまとまりの良い古本屋さんですっごい探してた本がぽんと置いてあるってシチュエーション。いやわたし一人じゃなく古書買いの人なら一度は見たはずこんな夢、いつもここで目が覚めるのよね。


 



 


何年ぶりかにヤジキタ観劇。


さまざまのこと思ひだす舞台かな。


極私的にね、ヤジキタに関して実にさまざまなことがあってしかもそれぞれいっこずつが極濃口の記憶で、それぞれのエピソードが10年分の地層になってるんですよね。バウムクーヘンみたいというか。層を一層一層剥がしてくと果てに穴があるわけです。


奥の方は汗と涙と煙と薬の思い出ですね。


 


そいや初演の時、ももちゃん、「呼ばった」がわかんないって言ってたなあ。「夜這った」かと思ったって。「呼ばう」って方言?て訊かれたんだ。方言つうか、古語かね。


 


今回も一番好きなシーンがすごくキマっていたので、それだけで胸熱うございました。


 


終演後、偶然この回に来てた知人のそのまた知人からももちゃんのことで相談?を持ちかけられて、ももちゃんのこともありつつその他のこともありつつで場所を移して3人で長話。


ヤジキタを見ればもうわたしは毎回確実にももちゃん思い出しモードになるので、そんなときにこんな人に遇ってこうゆう話を聞くのもなんかのめぐり合わせか。


先方は「ももちゃんが呼んでくれたんだね、きっと」と仰っていた。


…で、喋ってたらなんか重なる奇遇でウシの話になって、風のうわさに「刀折れ矢尽きて傷心のうちに田舎に帰った」と聞いてたその後の消息がわかってちょっとほっとする。しかしなんだ世間は狭いな。


 


「やっぱりやぎ座は几帳面だよね、カシワさんは誕生日いつ?」


「えーと…あっ、そういえば今日誕生日です」


「えっ、なんでもっと早く言ってくれないの!」


いや初対面の人に会うなり「ワタシ今日誕生日です!」とはちょっと、言わないです。


「なんかプレゼントあげたいのに何も持ってない!あっ、飴があった!飴あげる!飴でいい?」


「じゃあ私はチョコあげる!帰りの新幹線で食べて!」


「あなたがたは大阪のおばちゃんですか!」


「私は飴ちゃんじゃないもん、チョコだもん!」


「なんか気取ってる!さすが銀座の女は一味違う!」


 


…終始そんなノリで賑やかでした。姦しいってやつですね。


しんみり話すより今はこのノリがありがたいです。


しまいにはこんな勢いで隣の東大生も巻き込んでのおしゃべり尽くしでした、この学生さんがまた駒場生まれの駒場育ちの東大生っていうレアな地元っ子で。


 



 


犬も歩けば棒に当たる。


ほぼノープランでプラプラしててもめぐり合わせってやつで探してたもんに行きあたったり会うべき人と知り合ったり。


そうゆうふうにできているようです、そういう時期なんでしょうね。



2013年10月8日火曜日

東京行った

上京。


 


国立近代美術館フィルムセンターで「チェコの映画ポスター展」


出光美術館で「仙厓と禅の世界展」


竹久夢二美術館で「小林かいち展」


 


珍しく東京東部をぐるぐる回りました。


いつもは下北沢とか新宿・渋谷周辺でぐるぐるするから、東京駅とか上野駅周辺散策はなんか新鮮。


京橋交差点あたりを歩きながらグランシャトーのCMソングを鼻歌する。京橋はええとこだっせ、あ、その京橋じゃない。


そしていつもはいかない辺りを巡ったもんで、日比谷駅と有楽町駅の構造とか知らんで入る必要のない改札を入っちゃったり難儀しました。


つか、天気よければ歩く距離だよなこんなのと思いながら京橋-日比谷間を地下鉄移動しました。


 


チェコの映画ポスター展は「チェコ映画」のポスター展じゃありません。


チェコで公開される時に現地の配給会社が製作したポスターなのんで、アメリカ映画のもフランス映画のも日本映画のもあり。


チェコ公開版『ゴジラ』のポスターに描かれたゴジラは、半魚人みたいな顔をしていました。


あと小林正樹監督・仲代達矢主演『切腹』のチェコ公開タイトルが『HARAKIRI』でした。まあその、まんまなんですがね。


 


フィルムセンターは入場料(200円)と図録(1200円)が安いのが嬉しいです。


 


この後どっかでランチ食べて根津の竹久夢二美術館に行くつもりでしたが。


ロビーで仙厓展のチラシを見かけ。


今やってるんだ、日比谷か、じゃあいこか、と急遽予定追加。


 


江戸時代の禅宗のお坊さんの禅画ですね。


出光美術館にコレクションがあることを今回はじめて知った。 


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禅の厳しい教えが絵にこめられているわけですが、うん、そうと知って見てもしりあがりさんの墨絵と見まごうよ。


しりあがりさんの漫画も禅問答っぽいけどな。 


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イイ笑顔でしょ。


 


「死」や「老い」を描いた絵も文もどこかコミカルでほほえましいなと。


 


出光美術館の入館料は1000円、展示を見終えた後で皇居と東京駅を見下ろしながらソファーでゆったり給茶機のお茶をいただけるので雲の上のひとになった気分が味わえてよろしい。


 


3件目は根津の竹久夢二美術館で小林かいち、いつかやりそうだなとうすうす予感してましたがやっぱり「今日は小林夢二展に行ってきます」と言い間違えました。


小林夢二展。何が展示されてるんでしょう。気になります。


 


いわゆる谷根千ってエリアですか、根津あたりは晴れてればにゃんこがあちこちいる猫町だと聞き及んでおりますが、あいにくの雨と時折の強風で猫見られず。


猫好きに有名な「猫町カフェ」も時間の都合でパス、目的は小林かいち展に絞りこみ。


 


松本かつぢ展、高畠華宵展、常設の竹久夢二展を足早に流し見して、小林かいちの展示室。


すごく良かったです。


絵のね、デザインとかもすごく良いんですけどね、木版画の技術の凄さにも見入りました、色の重なり方とか繊細なボカシとか、金で縁取ったラインとか、すごい美しいんですね、これは図録の印刷だと再現できない。


大正・昭和初期の絵葉書ブームの頃ですから、絵描きさんの画法や画風に伝統的なものと西洋的なものがミックスされて一種独特の異国情緒や時代感を醸してると思います、で、印刷する側も、彫師さんや摺師さんが、江戸時代の浮世絵版画で完成した技と西洋から入ってきた技術や道具をミックスして、この時ならではのことをやっていたと思うんですね、


…いや資料はないけどたぶん。


色味は江戸時代の藍や墨色とは違うし、明治初期の版画に大流行した紅色染料でもない、今現在のインクの色に近い気がするけどこれも当時は印刷業界最先端の染料(顔料?)だったのかなー、…とか想像するね。


かいちの本職は京都友禅の図案家だったとかで、金色の使い方は琳派の流れではないかという解説も見ましたが、琳派よりはやっぱり同時代のエルテとかクリムトとかの影響なんじゃあないかと思う。ジャポニズム逆輸入。文化って面白い。


 


現代の彫師・摺師さんが復刻したかいち絵封筒の販売もありました。ロストテクノロジじゃないことがわかって嬉しゅうございます。 


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まあ、購入したのは復刻木版刷りじゃなくて印刷の絵葉書セットなんですが。


でもこっちもなんか普通のプリントではない感じ、なんか凝ってる。


 



 


夜、アゴラでの前日打ち上げに誘われる、が、本番観る前に打ち上げ行くのもなんだか、で、有楽町で夕食&ガールズトークとしゃれこむ。


おばちゃんのガールズトークは他人のゴシップが8割よ。