ねねむさん…気温も安定してきたというのになんだか浮かない顔してません?
「ちょっと気になることがあるのよ」
気になることとは?
「こないだまでいたあの子のことなんだけどね…」
あ、あの子のことなら心配しなくても元気に育ってるそうですよ、しかも里親さんとラブラブモードのご様子で。
「そうじゃなくってさあ…おばちゃんあの子の写真すんごい撮ってたじゃない?」
数えたら400枚以上ありました、640×480pxの小さいサイズで撮ってたのに全体で40MBですと。さらに動画が…
「最近ねねむちゃんのこと撮ってくれないのにあの子の写真はすごい撮ってたね」
いやあの、幼児だから成長記録って感じですよ、愛情がどうとか関係ないですよ?
「…昔のねねむちゃんの方が良かったの?」
そんなことありませんて。
だいたいねねむさんカメラ向けられるのあんまりお好きじゃないでしょう?
「それはおばちゃんが銀塩一眼でテレマクロとか言って至近距離でバッシャンバッシャン撮るからでしょ。あれうざいのよ」
ああ、申し訳ない。コンデジならいいんですね。テレマクロ(望遠接写)ですけどね。テレマクロで撮りまくろってね。
「やかましいわ」
じゃあちょっくらラブリーでキュートなねねむさんを撮らせていただいてよろしいですか?
「どんとこいよ。あの子より可愛く撮ってちょうだい」
その顔怖いです。
ごきげんな顔ですね。
「外はいい陽気だしね」
「ふああ」
「今ヘンな顔撮ったわね?」
いやいやいやマニアには堪らないフォトジェニックな一枚ですよ。
「そうなの?世間にはマニアがいるもんなのね」
そうなんす。猫のあくびマニアがいるんすよ。
あと猫のかかとマニアってのもいましてね。
「フェチねえ。じゃポーズとったげる」
それからねねむさんの桜色のお鼻もなかなかフォトジェニックで。
「とことんフェチねえ」
「つぶらな瞳で童顔風ってのもできるわよ」
ああ、年齢を感じさせませんね。アンチエイジングねねむさん。
でもつい瞳より鼻にピントをもってきてしまうんですよね。
「どこまでもフェチね」
「ふう…もう疲れた。今日はここまででいいわ」
おしまいですかい?
「うん」
「ちょっと寝る」
ってほぼ一日寝てますよね、あなた方猫は。
「ヘンな顔の写真は公開しないでよ」
へいへいへい…
ねねさんがものごっついヤキモチ焼きなのは本当。
この一週間ぶつぶつぶつぶつ言われてご機嫌伺いにいそしみました。
なぜこんな後ろめたい思いをせにゃならん?
ご機嫌戻った。