2012年9月30日日曜日

うわきな男

結城座の劇場で会った人たちから口々に、「井村さんの、どうだった?」と訊かれる。


まるかぶり公演日程の9/27ソワレ1回きり公演、結城座についてるスタッフ勢は誰も観られないという。


 


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「じいの一人芝居で日本橋劇場の客席は埋まるのか!?」とか軽口叩いてましたが、なんのなんの盛況でした。


会場へのエレベータでご年配の紳士4人(お互い連れではない)と乗り合わせ、「何階ご利用ですか?」と訊いたら皆「4階で」とお答えになり、心のなかで「じい、すげえ…」と思いました。


 


もともとの戯曲が短編8編の不連続なオムニバスですが、とりとめのない短篇集に構成演出で緩くまとまりをもたせててそこはさすがに天願氏は巧いなと思いました。


じいも、達者でしたよ。


が、最後に、じいの描きおろしたと思われる部分があって、そこでおもきり泣かせにかかってくるので、「ズルい」と思いました。


ももこ作品のそれぞれのタイトル「待つ男」「マッサージ男」「うなずく男」…の伝で言えば、「アルコール分解酵素の無い女」的な、エピローグ。


ちくしょう泣くもんか。


 


終演後は花束を渡してさっさと退出してしまいました。


東京駅のお花屋さんで作ってもらった、竜胆に撫子、吾亦紅、桔梗、女郎花、秋の花束を見てじいの一声、「ももちゃんの仏壇に?」「もちろんです」


 


 


生きていますことは、こんなにも嬉しく、切ないものですのに、…


 


 


 


 


 


 ほんのひとかけらでも、誰かの役に立てるのなら息しておりましょうと


 一日、一日を過ごしています。


 アルコール分解酵素を持っていないので、酔った心持ちがわからないのが


 つくづく残念に思える「コンデンス」でありました。


  2001-09-29