そしてシン・ゴジラ観てきた。
Tumblrで連日のように評判が流れてくるけどなるべく事前情報は入れずに、「東宝の特撮新作だ、わーい」的なノリで観に行って、予想外に生々しくて前半辛かったり。いや製作側としては狙い通りなんでしょう。あ、凄い面白かったよ。
「生々しい」にもいろんな意味があるけれど、鰓が苦手なわしわしは第二形態の外鰓から体液が滴るあたりがとても辛かった。製作側としたら狙い通りなんでしょう。
あとまあ震災時の報道映像とオーバーラップしちゃうので、あああって。初代ゴジラ公開も昭和二十年代なんだよな、まだ戦火の記憶も消えやらぬ復興中の東京の街を容赦無く破壊してくんだよな、当時初代ゴジラを観た人もあああって思ったろうな、もちろん初代も今回も製作側の狙い通りなんでしょう。
前夫が円谷ファンで繰り返し初代ゴジラを観てた(注・授業資料)のを横から観てたのであちこちの場面でつい初代を思い浮かべる、初代がサーチライトに照らされながら夜の東京を練り歩いたのに対してシンゴジラは身から光線が出るのか、ビジュアル系だなあ、などと思う。白黒の絵面だと黒っぽくて大きな塊がうごめいているだけで怖いけどカラーだとそうはいかないし、変態したり生々しかったり光ったり今時の未知の形態をしているのです、多分。
タルい人やタルい場面がほぼなくてタルむ暇なくスピーディに展開します。基本全員切れ者で職務を全うすることに心血を注いでいる。この感じって何かで、あ、プロジェクトXだ。
一見頼りない首相も決して進言を無下にしたり議事進行を妨げる行動はしないのです。それ重要。すごく重要。
場面場面でいろんなこと想起する。
「なんでこっちに来るんだよ!」の答えは特に示されなかったよね、ブラッドベリだったか他の作家だったか、核モンスターが放射性物質を補食する為に原子力研究所を襲う短編があるのを思い出してそういう何かの理由があるかなと思ったけど。
4DXでもIMAXでもないスタンダードなスクリーンでしたが、ものすごく久しぶりに見上げるほどのスクリーンで観たので最初ちょっと画面酔いした。
今時の映画館って近代的ですごいねー、トヨタ系列なのでお座席はトヨタ紡績の高級シートだったよ。
そしてパンフレットは品切れで目下増刷中だそうだよ。入荷時期未定、そうですか。
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昨日の展覧会の美術といい…細部まできっちり作り込まれた虚構ってわくわくするねえ。
中島敦の短編「狐憑」を思う、なんだって人類は、うそのはなしに胸躍らせて聞きたがるようになったのかしらねえ。