検索を始めたら芋づる式に情報が繋がって思いもよらないところへ着くことがありますね。
子供の頃、夜寝る前になると急に「死」が怖くなったり、ふとんから手足がはみ出してるとそこから悪い何者かに連れて行かれそうな気がしたり(耳なし芳一的なイメージかしら)、夜は何かと不安で仕方なかったものです。本能的な、誰にも覚えのある幼少体験なのかなとも思う。
誰だったかのエッセイにもそんな、夜中になると自分や世界の誰かが死ぬことが心配になって堪らなくて、寝ている両親を起こして訴えたけどまともにとりあってもらえなかった…というエピソードがあったなあと思い出す。
調べると、それは松井友という人の『わたしの絵本体験』の中の一節であった。
で、その松井友というのはどういう人かと検索して、児童文学者で福武書店児童部門の初代編集長、という肩書を知り、更にそのお父さんの松井直も児童文学者・編集者であると知る。
この松井直という人は(つまり幼少の松井友の夜中の切なる訴えをじゃけんにあしらったお父さんだな)、福音館書店で「こどものとも」を手掛けた編集長で、
「当時無名だったいわさきちひろ・初山滋・田島征三・安野光雅・堀内誠一・長新太などの才能を発掘した。子供の絵と大人の絵が截然と区別されていた時代だったにも拘らず、児童書に秋野不矩・朝倉摂・佐藤忠良・丸木俊・堀文子といった当代一流の画家たちを起用したのも松居の見識による」
とのこと、福音館の安野光雅の絵本で育ったわしわしはこのお父さんの慧眼の恩恵を受けてきたわけで、へー、この人のセンスかあ。
その松井直の項目から更に児童文学者の寺村輝夫の項目へ移動して読み進み、代表作『ぼくは王さま』の挿絵画家は当初は山中春雄だったのが画家の死去により和田誠に交代したことなど知る、山中春雄という名前は初見なのだけど死因に(殺人被害)とカッコ書きされていて、えっなんだそれ、と検索して、どこかの企業のホームページ内の会長さんのエッセイに行きあたる。
芸術方面に明るい会長さんのようで、お好きな画家や詩人、芸能について種々考察されている。ちょっと前のお金もち、会社のエライ人というのはこんな趣味・教養人が多かったっけな。
ところでこの会長さんの会社は何の会社なんだろうと概要とお取り扱い商品を見ると、見覚えのある鰹の絵、もちくんオススメのだしの素を作っている会社であった。
あれかあ!ここかあ!
と、WikipediaとGoogle検索でどこを目標ともなく蔓を伝っていって、思いもよらず探していた食材のオンラインショップにたどり着いた真夜中でした。