2024年8月17日土曜日

NOW HERE

 勇者ヒンメルの死から40日後

つうことでとにかくこちら(此岸)はやっていかなきゃいけないし時間は流れていくんですけども

情緒も多少落ち着いてきたので自分のことを書く…



内々な精進落とし的な席で「結局、死ぬってどういうことなんだろう」と圭一さんが言い、まあ、ほんとうに、こんな死をめぐる物語を何十年も一緒にやっていて、いまさらのようだけどやっぱりわからない。死をめぐる物語、いや、死のわからなさをめぐる物語かしら、生をどんなに微分しても死にはならないし死をどんなに微積分しても生にはならない、そういう近づけそうで近づけない、わかりそうでわからないことをずっとやっているように思ってきた。それにしたってわしが死ぬとはこいつはたまらんってやつですか。
団子先生が楽しみにしてたか違うと思っていたかわからん公演パンフレットが葬儀の日に刷り上がり、昼前出棺なので棺に入れること叶わず、あと1日早かったら間に合ったのになあと残念に思い、思った直後に「いや、ぜんぜん間に合ってない、どっちにしろ死んでるから読めない」とセルフつっこみが入り、つまり、自分の中ですごくあやふや。どこにもいないし確かにいないし、それでもあれだけの、あれもやりたいこれもやりたいまだまだやりたいの溜めに溜めたパワーがただ肉体が無くなったくらいで消えるものかしらと思うし、じゃあ、じゃあ結局生きてるってなんなの、って人類の宗教発生の原初の感情みたいになる。結局、死ぬってどういうことなんだろう。
公演始まり、「天野さんだったら『いーの!』て言うね」「絶対言ってるよね」みたいな会話をしながら、でもてんぴょんはもういないじゃない、とも思う。

生きているうちは固定の座標があったものが死ぬと偏在しちゃって、客席にもいそうだしロビーにもいそうだし打ち上げにも来てそうだし実家にもいそうだし、それはつまり観測者であるこちらの内面の話なんだけど、極端な質的変化があるわけで、すべてのポートレートは遺影になるしちょっとした言葉が金科玉条というか子曰くになってしまいそうになるまであって、まあ、生きてる人間のなかの話になる。

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それいゆのラストのパタパタ(文字パネル)について、イワヲさんが「再演の時は、やりながら『結局これは誰の言葉なんだろう』と思ったけど、今回たまたまこういうことがあったから観る人はみんなあの言葉に天野さんを重ねちゃうんだよね。そりゃあ泣くよ」と言った。
まあそう、観てる方としては勝手に重ねちゃうんだけど、いったんそれはさておいても、天野さんの作劇がすごいなと思うのはああいうところで、同ポジをはじめとして最新技術もデジタル技術もなんでも貪欲に取り入れる中で、パタパタとかめっちゃくっちゃ手動でめっちゃくっちゃアナログでびっくりするほど役者は大変なシーンで、台本だとほんの数行の単語群で、なのになんか演劇で音と光がついて役者が生で時にたどたどしくパネルを反してカタコトの単語が繰り出されたときにものすごく情動が掻き立てられるっていう、言ってみればなんで「これだけのこと」がこんなにも感情を揺さぶるのかわからないんだけど、あれってほんとに演劇、舞台でしか成立しないことをやってると思い、あの効果を計算できた天野さんって凄い演劇設計者だなあって思った(※再演時の感想)。
あれだけすごいテンポで2時間ずーっと喋り倒してからのあの無声のシーンっていう対比もあるし、また、役者の発声ならその声音やら表情やらがひっかかりになってとどまれるんだけど文字だけで声色や役者個別の情報がないからね、それですうっと持ってかれる、今回で言えば天野さんに重ねる、ていうのがあるよね。


そういえば最近、東京大学大学院総合文化研究科から興味深い研究成果が出てたな、「2体のしめじが近づくと感情豊かにみえる」社会的な動きがつくと、見る人は目鼻のある人形よりむしろしめじの方に感情を見出してしまうらしいですよ。原理として近いものがある気がする。

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一昨日、きゅうりがのどにひっかかって激しくむせて、おばあちゃんかよ、あんまり急激に激しく咳き込んだのでその拍子に鎖骨と肋骨あたりで腕の神経叢を圧迫したらしく、両脇から指先まで火花が散るような痛みと痺れ、重だるさに襲われてしかもそれが咳き込むたびに再現し、ひとたび咳き込むと10分以上両腕が痛痺れて動かせないという難儀なことになった。
咳で腕が痛むなんて初めてのことだったのでようよう治まってからなんだこれって検索して、検索結果筆頭が「肺がん」だったのでああー、と思う。あ、自分のはむせたときの反射的な動きが原因のやつって確信があったからがんじゃないのはわかってんだけど、そじゃなくて、「今、絵を描き太陽に描くのが難しいのじゃ」って言ってたのってこういうことか、って身をもって知った気がして。たかが咳由来の瞬間的な神経圧迫でさえ腕痛重すぎてしばらくスマホも持てないのに、これに近いかこれより酷い状況でよく描いてくれたなあ。
その熱烈な表現欲で、彼岸を越えてはこれまいか。

2024年3月31日日曜日

ネン・ド・マツ

その後もおしまいが続いていまして、今池ダイエーが閉店したり鳥山明が亡くなったり下高井戸駅前商店街が終了したりしていますが、新生中日ビルが開業したりシネマテークの後継がオープンしたり阿下喜温泉が体制も新たに生まれ変わったり、新しいものも続々生まれているようです。
こうして変わっていくのであるな。

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あのね、「割り切れない思い」みたいな言い回しもあることですしね、割り切れないって悪いこと、いやなこと、利用のしようのないものと子供のころからずっとどこかで思ってるのよね。
暗号学の授業を受けると「何!何、『法として合同』って!」ってなるね、なったね。
いや高校数学でやってはいるはずなんだけど、「わりきれない」を利用して鍵作るの!?って。
というわけで剰余計算をぷちぷちやる半年でした。
シャミアとアーデルマンは覚えられるのにあと一人がどうしても覚えられないRSA暗号とかもやりました。レツゴー三匹か。

あと暗号関係では、「ブロックチェーン」って聞くとどうしても『1001』の夢二さんが浮かんでしまいます。ブロックチェーンで管理されてるから改竄困難なんでしょ、知ってる。

通信大学の春休みでちょっと余裕があったから、授業の復習と最新情報収集のためjmoocで東北大学の現代暗号学講座も受けました。
ブロックチェーン技術を利用したオープンバッジ証明をいただきました。改竄困難なんでしょ、知ってる。

オープンバッジ えっへん(自慢)(誰でも受講できる)

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24年度は地理空間情報専門技術認定の残りの科目を受講します。うまくいったら地理空間情報専門技術者爆誕です。

さあ特殊な訓練を受けるぜー。

2023年10月9日月曜日

おしまいの世界

ほらまたみつかった
なにが?
おしまいが

突如ランボーもどきのわしわしでございます。
それというのもこのところバタバタと身の回りでおしまいごとがあったのでなんだか気分はもうおしまいの季節なのでござんす。
お気に入りの喫茶店がなくなり、お気に入りの変な居酒屋がなくなり、物心ついた時からあった映画館がなくなり、物思うようになって以来通った本屋がなくなり、新時代を感じたビルが取り壊された。一世を風靡した音楽家も漫画家も死んでいく。
いつだってそういうものだ、今までだって何も終わらない時や誰も死なない日なんかなかったはずだ、とは思うものの、商店街のシャッターが閉まりだす時間みたいにあちらもこちらも立て続けに終わっていっておしまい感がすごい。

エンド・オブ・ザ・ワールド。
ワールド・オブ・ジ・エンド。
ワールド・オブ・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド。


その一方

20年ぶりに高知へ行ったら嬉しくなっちゃうくらい変わってなくて嬉しくなっちゃった。同語反復。
住んでる人にしてみれば、いやこっちだっていろいろあったんですよと言いたいことはあろうけど、なんか変わらなくて嬉しかった。

◇◇◇◇◇◇

今年は国家試験を立て続けに受けた年でもありました。まだ3ヶ月あるけど年内はもう受けないから過去形。
2種類受けたので2回官報に載ったはずです。測量士補と情セキュ取りました。下っ端の試験だから受験番号の掲載。測量分野では土地家屋調査士、情報処理分野では情報処理安全確保支援士が官報に名前載る最上位試験でいわゆる士業、バッヂ持ちですな。
なにかパッと見バラバラの分野の試験なのでむやみに資格コレクターになったように思われがちですが、そういうわけではなくてGIS関係の民間資格の受験要件が測量士登録とIPAレベル幾つ以上って規定があるんだな。
「地理空間情報システム」だから極めようと思うと当然地理空間(測量)の知識と情報システムの知識が必要になる。三角関数なんか教育に必要ないって言った政治家先生には想像もつかないであろう世界があるわよ。むしろ基本が読み書きそろばん三角関数よ。
今年の国家試験受験予定は終わりましたがGIS資格の受講と受験は続く。がんばる。

2023年4月3日月曜日

はるよ

 「今まで『若い女性が嫌い』とかそういうことはなかったはずなんですけど、なんかどうも新人の女性で仕事しててイラッと人がいるんですよね。何がどう悪いというのじゃないんですけど」
「自分より若い女子許せない人じゃないですか、いけませんねえ」
「それはいやだなあ。極力イライラしないように気をつけてはいるんですけど。でも『これを参考にして資料作ってください』って見せられた資料が昨年わたしの作った成果品だったりするとどうしても一瞬イラッとしちゃうんですよね」
「それはイラッとするなあ」
なんか昔ごりんが前職の頃に似たようなことを言っていたような。

3月の上旬はまだ多少余裕があったので小牧のオープンベースは行きました。
そのあと一気に忙しくなって土日出勤したり平日日中の士補講習会が終わってから出社したり無茶をしていたら過労死ライン超えたぞテメー。報告書の体裁でほぼまとめあげたと思っていた案件が納品2週間前に計算根拠からやりなおしになったわけよ、でもくじけないもん。直前にひっくり返されて作ってきたもの全部やり直しとか天野演出で慣れてるもん。いやな慣れだ。

4月になると仕事が落ち着いてあれとこれが忙しくなってきます。しかし以前はできなかったことがじわじわとでもできるようになっていくというのは、なんというかたいそう気分がよろしいですな。

2023年2月15日水曜日

光の演算

ちなみに下の翡翠鳥みたいな半透明物質の光線の拡散反射の演算をするのに使われる関数に「双方向散乱面反射率分布関数」と呼ぶものがあります。
双方向散乱面反射率分布関数。いいですねなんかもうこの怪しい偽医者のインチキな施術名みたいな。双方向散乱面反射率分布関数。無駄に口に出したい日本語。
英略語はBSSRDFです。余計ややこしなっとるとまではいかないけどあんまり略した感がないです。Bidirectional Scattering Surface Reflectance Distribution Functionの頭文字だそうです。

レイトレーシングは「光線をトレースする (Ray Tracing)」ですが、わしわしはずっとレイト・レーシング(Late Racing)と思っていたので真夜中のチキンレースが脳裏に浮かんで仕方がない。間違ったタグ付けの例。

2023年2月12日日曜日

God seeks again that which is passed away

くそ忙しい!くそ忙しいよ!
自分で選んだ道なので文句はないけど、夏はくそ暑く冬はくそ寒くそして毎日くそ忙しいよ!
とはいえ、後期の課題と試験が全部終わったので家に帰ればすこしゆっくりできるようになりましたよ。1月は死ぬかと思ったよ。年度末なんで仕事はターボかかって忙しい。
後期の授業ではコンピュータグラフィックス受講して、もともとたまにちょろちょろ触っていたBlenderを理屈からがっちりやって3DCGの出来栄えに感動したり、RやPythonでデータ分析したりしたよ。応用編はエキサイティングだよ。
レイトレーシングで内部散乱と吸収のパラメータをええ感じに調整して翡翠らしい不透明感を出すのに成功した画。もううちのPCちゃんではこれ以上演算させると落ちる。

来期は令和5年度測量士補の試験を受けることにしたのでまた3重のわらじを履くことになります。足がたりないな。なんだかんだで忙しいの好きなんかな。そうかも。「忙しい」って言いたいだけかも。

測量では当然のこととして、コンピュータビジョンや自然言語処理を学んでいても三角関数が基礎になっててびっくりするよ。上の画像の光の反射もランバートの余弦則とかで計算されてるわけよ、もうね、すべてのものが三角形で出来てるんだなって改めて思うわけよ。そりゃDEMからTINサーフェスとか作るから基本三角形なのはわかってるつもりだけど、それにしたってこの世は三角形でできているんだなあ。ここでぴんちゃんの「三角形の歌」を一曲。

AutoCADもちょっと使えるようになったので秋のAliceの舞台のめんどくさい図面描いたりした。ここでも三角関数。もうすべてが三角関数。

1月は忙しいの合間に久しぶりに芝居観に行ったよ。小劇場エンゲキの世界でまちづくりとか都市再整備とかが良いふうに描かれることないな。悪桔梗屋と悪代官みたいな。大企業はやりたい放題乱開発できて役人は賄賂でウハウハで農民は傷ついて、みたいな。時代劇かい。開発許可も農振除外も地方の市町長レベルでちょいちょい許可出せることじゃないとかそういうマニアックなことは横においとくとしても、なんだかなあ。

前にも書いたけど。わしわしは古いモルタルの建物とくねくねした細い路地が好きで電柱が好きでしかも道にせり出した古ぼけたバーや喫茶店の看板が好きで、でもどう考えてもちょっと大きめの地震が来たらすべて凶器でしかも避難も救助も阻む障害物になる。耐震化してセットバックして道路拡張して無電柱化して道路占用物は撤去するのが安全と安心のまちづくりっていうのは理屈の上ではすごくよくわかるわよね。
「安全規則は先人の血で書かれている」とよく言うけれど、都市計画だってたいがい血で書かれている。あの災害ではこいつで人が死んだ。あの災害ではこいつが復興を妨げた。でも慣れ親しんだ風景や好きな街角が「危険物です」と一掃されるのはなかなか感情がついていかない。ノスタルジーといえばそれまで。残しておきたいのは古い町並みなのか、古い街並みにいた幼い自分なのか、まあ、ノスタルジー。
そこには桔梗屋も悪代官も不正も賄賂も出てこなくてむしろまっとうに正しいことしか出てこないのに、こんなにも悩ましく胸痛む。芝居より目の前の現実のほうがエモーショナルに感じるから、芝居ってなんだかなあ、面白くないなあ、ってなった。

2022年7月9日土曜日

日々雑感

KDDIの大規模通信障害。
こんなこともあろうかと、携帯とルータのキャリアをおまとめせずに2つに分散していたわしわしの危機管理能力を褒めたいと思います。「未納の時に同時に止められるから」じゃないわよ。

障害対応中のKDDIへ総務省が幹部クラスを深夜に派遣した、というニュースをみて、本番中にテクニカルな不具合が起きた時にオペ室に駆け込んでくる天野さんを思い出した。「必死で対応してる時に来て横でごちゃごちゃ言わないで!」とスタッフからめちゃくちゃ不評です、あ、天野さんの方ね。総務省は知らん。


家でも会社でもGISで地理情報をあーだこーだしている。ついに会社の仲良しさんから「地図マニア」とか呼ばれた。仕事のためです。趣味じゃない。


健康診断の指摘項目が年々増えてきた、歳をとるというのはこういうことか、と年齢のせいにする。





2022年7月4日月曜日

僕のでんじゃあ・ぞーん

飛行機成分が不足しているのでトップガンマーヴェリック観てくる。腕振り回して「Yeah!」とか「USA!USA!!」とか雄叫びあげたくなるくらい熱中した。前作のファンが見たかったものがてんこ盛りでこれでハマらないわけがない。カタパルト発進、アレスティングワイヤー着艦、レインボーギャング、Danger Zone。前作とオープニング一緒じゃんって、これが見たかったんだよ。電磁カタパルトでもなくSTOVLでもなくこの鉄臭いアナログくさいあれが見たかったんだよ。もう最高かよ。
ところでデンジャー・ゾーンっていうとどうしてもぼのぼのを連想しちゃうな、僕のでんじゃあ・ぞーんだ。

ダークスターからのあれで「こういう世界線の話です」ってちょっと肩の力を抜いて観られるのも良かったしめっちゃ出世したアイスマンと飛行士ひと筋のマーヴェリックとの対比も嬉しかったし、あれであれするところなんかもうそんな反則だろ!でもやっちゃってください!!って感じだし、総じて鷲掴みにされる続編でしたとも。
特別トム・クルーズが好きなわけではなくてヒコーキと発進着艦が好きだったのだけど、今回は「あ、トム・クルーズ好きかも」と思った。というか、生意気な若者が途中いろいろありつつも無双する前作より、おっさんが無双する今作の方が面白いに決まってる。あとね着艦のとき全回アレスティングフックに引っ掛けるとこ写しててね、あーもーわかってんなーこのーってなる。1作目はいちいちは写してなかったはずよ。

音の良い上映方式で観たらこれは航空祭の臨場感が得られるのでは、とIMAXと DolbyAtmosでも観る。Dolbyが一番良い感じだったな。爆音上映的なものがあったら行きたいものだな。
岡部いさく氏が「3回目はいろいろツッコミ入れながら観ようと思ったのに結局またオープニングで持って行かれてしまった」的なツイートしてて、そうゆうことよね、あのオープニングの前に冷静でいられるミリタリ属性の人はいないよね、と思う。
複数回みるとわかる小ネタとかあるのも楽しい。トレーニング初日の"This is your captain speaking"と後のハングマンの旅客機アナウンスとか、小ネタってわけじゃないけど「F-18で第五世代機とドッグファイトして勝ち目があると思ってるのか?」「そんなの結局飛行士の腕次第だろ」「その通りだ!」のやりとりも2回観るとすごいニヤニヤするところ。F/A-18どころか、あなた、ねえ。

映画全体はあんまりリアルやシリアスに寄せすぎず肩肘張らずに観られるようにしつつも、物事の辻褄は合わせてあるのも面白い。なぜ無人機でも最新のF-35でもなくわざわざ有人の一世代前の機を引っ張り出して行かなくてはならないのか?っていう理由にはちゃんと触れてる。しかもわざわざ妨害電波を出してなくてもあんな深くてうねうねのV字峡谷なら天頂衛星でも配備されて無い限りGPSは使いもんにならんと思う。後にはその地形が接近戦の理由にもなる。旨い地形を考えたな。
あとルースターの境遇、父の死が飛行士としての自分に影を落としているのが前作のマーヴェリックの境遇と重なるようにしてあったり、そういや前作のヴァイパー教官も、小回りが効くとはいえひと時代前のA-4で見事にヒヨッコ(いうてBest of Best)を挟み撃ちにしてたっけなあ。

そういう、いろいろ考えてある一方で、往路は綿密な計画と訓練のわりに復路は気合いで帰ってこいみたいな脳筋作戦とか、ビーチでアメフトやったらチームが一丸になりました!ってやっぱり脳筋メンバーっぷりとか、「F-18に乗るのは久しぶりだから慣らしが必要です」って言っといてからの後半の久しぶりどころではなかろうあれとか、そのへんの力技も一連の流れの中でいいメリハリな気がする。理屈ばっかり見たいわけじゃないからね。というか、高高度極超音速効機からベイルアウトして町まで歩いていける世界線なので気合いがあればなんでもできるのだ。

わしわし以前あれをあれしたことがあるので以来この映画にハマった!って言うと「こんどは何回観に行くんですか?」って冷やかされる、トップガンは3回観たしDolby Atmos堪能したからたぶんもうこれでおしまい、あとは、秋以降の航空祭の生ヒコーキと生爆音を楽しみにする。

2022年6月26日日曜日

デジタルとデータ

先日のNHKの記事が地理情報属性の方々の共感を呼び拡散されておりました。

NHK 災害列島
34テラバイトのデータと格闘して「全国ハザードマップ」を公開した理由
https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/select-news/20220621_01.html

わしわしがなんで残業ばっかりしているかっていうと、だいたいここで語られている困難がそのままわしわしの現場にも当てはまるからよ。

わしわしの場合は浸水深のほかに路線情報だとか施設情報だとか、たとえば一地方の中核都市の子育て施設の立地状況を可視化して比較したいとなったら、その地方の人口20万人超の都市をピックアップしてそれぞれの都市の子育て施設を地図上にプロットして徒歩圏域を描出して…となるのだけど、まあだいたい、そもそもの施設位置データの収集が難関よ。

子育て施設として揃えたいデータが「保育園・保育所」「認定こども園」「幼稚園」の3種として、それがまた「認可」や「認可外」や「公立」や「私立」で別々の扱いで、私立幼稚園に関しては各県の私立幼稚園連盟が年度ごとに一覧を作成公開してたりするけど、それ以外はそれぞれの市のHPにそれぞれの区分で掲載されてたりして、オープンデータの取組みが進んでいる自治体ならcsvで公開されていてラッキー!とか座標データ付きで超ラッキー!、とか、でも市によっては一覧じゃなくて「子育てのページ」みたいなのがあって「認可外保育所のページ」→「お住いの区をクリックしてください」→「施設の名前をクリックしてください」でやっと1施設の所在地情報にたどり着くとか、まあそのとてつも絶望する状況な時もあるわけよ。
数年前ならiタウンページから業種でスクレイピングするという方法があったらしいのだけどこれはiタウンページ側で歓迎しない利用法だったのか、まあそうよね、今は出来ない仕様になっている。

そうして、想定した都市すべての「公立認可保育園」「私立認可保育園」「認可外保育所」「公立認定こども園」「私立認定こども園」「公立幼稚園」「私立幼稚園」の名称・所在地、あと規模とか夜間保育の有無とかの属性をリストに整えて、そこからジオコーディング作業に入るとこれまた字町名が変更になっただの異体字だのでマッチしないやつが出てくる、調べて修正する、ほんで最後には全施設のプロット位置を目視でチェックする。ここまできてやっとGISで処理可能な位置情報データになってくれる。あとは、まあ、ルート計算やらバッファ処理やら圏域内集計やら機械のお得意作業になるからオペレーターとして淡々と命令していく。

先のNHKの体験記に戻って、自治体が提供してくれたGISデータがHDDまるごとごっそりコピーしてくれちゃったのでものすごいデータ量になったという例も、データ構成を理解してない担当さんが.shpデータだけ(.shxや.dbfや.prj無しで)くれちゃった例も、ちょっと似たような経験があるな。あるあるなのかな。後者でわしわしが出くわしたのはね、.mxdファイルだけ送られてきたやつ。データソースの参照みて「同じ階層に××っていうファイルがあるはずでむしろそっちがデータ本体ですからそのファイルをください」って伝えてもらって…
まあでもそういうのは仕方ないよね。エクセルくらい一般的なソフトでもないし、たいがいデータセットの仕様説明書もない状態だし。
自治体職員みんながみんな都市工学や類似先行事例研究やデータ分析に長けているわけではないのでプロ集団として建設コンサルが存在してて、都市工学や関連法や豊富な経験と知識をびっちり身につけているコンサル社員でもみんながみんなGIS使いこなせるわけじゃないからわしわしみたいなのがアシスタントとして入り込む隙があるのだ。この世は分業なのだ。

あと数年して、地理総合必修化以降かつデジタルネイティブ世代が社会で活躍するころになったらさ、今のこんなてんやわんやも笑い話かなあ。昭和のころのオフィス失敗談で、FAXはじめて使った部長が「何回やっても紙が向こうに送られないんだよ」って言って何度もFAX送ってた、みたいな。

昔、まだ県大に国文学科とかあったころ、本文考証の先生が研究のデジタル化に猛反対する上の世代の偉い先生方を批判しながら言ってたな、デジタル化で頻出語句抽出や異本間比較が秒でできるようになったらそこから始まる研究があるって。今となっては「何を当たり前のことを?」と思うようなことだけど。この先、あらゆるデータ整備が進んで利活用が簡単になってデータの使い手が増えて、でも人間のやることは無くならない。いつだってそこから始まる研究があるんだもんな。

2022年5月16日月曜日

習いて後に学ぶ

地理空間情報と統計学をいちから学んでいるよ。
仕事で実際にやってるやつだからむしろ100点満点取れなかったらヤバいんじゃないかと思うよ。
でも現場で習得してきたことは理論とか知らんしあらためて歴史的な流れなんかの予備的知識から教えてもらうのは面白い。業務では使わないRやPythonを教えてもらうのも面白い。
そして高校レベルの数学を再習得するために初歩から数学をやるのも面白い。そこからかい。そこからよ。公式とか完全に忘れてるな。中学の数学の授業中に教科書に出て来るaとbの閉じた部分を鉛筆で塗り潰してまわったことなど突如として思い出した。教科書のあの独自のフォントの英小文字はなにか落書きしたくなるんよ。
約40年前とおんなじこと考えておんなじことしてるよ、クラクラするよ。

地理学というとニワシュウのことなど思い出したりもする、ニワシュウと縁の深かった学術誌がちょうど今年の号でニワシュウ回想録を載せていた、もう20年近いのかな、クラクラするな。
クラクラするよ。

5月ももう半ば過ぎ、目まぐるしくてクラクラするよ。

2022年5月3日火曜日

五月

物理的に溜りまくったアレコレと未受講動画と小テストを粛粛と片づけていくゴールデンウィークですの。ほぼ家の中に閉じ籠っていますの。
静岡のストレンジシード班は順調でしょうか。
ーんとうーんと、
北緯:34度58分51.5秒、東経:138度23分09.1秒、標高:22.24m
西暦2022年5月3日の日の入り:18時34分02秒、方位角:290度(西北西)
お天気さえよければいい感じの誰そ彼時になるはずです、参加者も観光者も五月晴れの静岡のさわやか日和を堪能してください。

2022年4月12日火曜日

エンドレスタノシーワルツ

年度末は当然忙しいとして、なんだかシームレスに忙しい新年度が来ちゃったぞ。
上半期はすこしおちつくであろうという算段でいろいろ開始しちゃったからもうてんやわんやだぞ。
アドレナリンが出るぞ。セワシーワルツだぞ。

バラライカ三角ギター、ウクライナは還るのでしょうか。
愛知万博のとき、休日に母と行ってウクライナレストランで食事したっけな。ボルシチとミモザサラダ美味しかったな。あの頃は緑の革命のちょっと後で、今の前の前の前の大統領だったかが親ロシア派に毒を盛られたとかでお顔がボロボロになってて、それニュースで見て「おそロシア」とか言ってたっけな。

3月、猫をガラス越しに愛でながら食事を楽しめるギャラリーカフェでウクライナ支援特別メニュー・ボルシチを出してたので食べ行った、ちょうど金子国義展もやってたので絵見て猫見てボルシチ食べた。パンがものすごく美味しかったので慮外の喜び。きっとまた行く。

また熱出してもいいように3回目のワクチンは3連休前の金曜の午後に打った、2回目ほどは熱上がらなかった、とはいえ38.4とか通常ならめったに出さない熱を出してた。

急に暑くなった、まだ4月。焦っているので「まだ上旬、まだ上旬だよな」ってカレンダー確認する、ちょっと落ち着こうか。

2022年3月6日日曜日

NOWHERE

なあ、あった?
セカイはあった?
いっぱいあった?
くさんあった?
くさんあったさ、いくつもあったさ、いくどもあったさ、どこにもあったさ、かしこにあったさ、いっぱいあったさ、むかし、むかし、ソレは、あったと
ラエ
スニア・ヘルツェゴビ
イジェリ
フガニスタン
タンザニ
ゼルバイジャン
ジャンジャン横
鮮民主主義人民共和
ロアチ
ンゴ
カンジナビ
ラブ首長国連
ポウツマ
マト
トビ
ラビ
クシ
ンハッタン
タンゴ、越前、山城、薩
ゼラン星
仙だ
ープタウン
雲南
ナンガパルバッ
ウトウ
ナミチシ
ダガスカルう
ジュータンバクゲ
ボウホウ
ホウルマヴィー
ムガンサン
サンパウ
レーシ
キツノク
シナ
ッチモン
ニエプル低
島列
総半
トウミョウザ
タセンジュ
ジュウジ砲
ナリヤ諸
ウトウ
ヤコジ
ラッ
マガサ
プロ
リラン
ンボジ
マトノク
ッコウノタ
タアイルラン
リニダード・トバ
ートダジュー
ーマニ
メリカ合衆
なしり、エトロフ、シコタン、ハボマイ
マイセン
セントローレン
イス
スラエ
クセンブル
エー
ルキスタン
タンケー
ンバブ
チオピ
カプル
トブキチョウ
チョウ高濃度劣化ウラン元
のとき…と、

少年王者舘vol.31『シフォン』作:虎馬鯨 演出:天野天街 プロローグ



2022年2月14日月曜日

なのみの

春はナ〜ノミ〜ノ。
春はあけぼの、そして春はナノミノ。ビバ!ナノミノ。たぶんイタリア系。

真夜中に…いろいろやったり寝落ちしたり起きてまたいろいろやったり…で、真夜中にアナコンダのインストール始めたら終わらない。
真夜中の大蛇。それは危険。

一年の計とか今年の抱負とかあんまりそういう1年区切りで目標立てたり気合い入れたりしない方ですが、今年は、たまたまなんかいろんなタイミングが重なった結果お勉強の年になります。
お勉強、という。噺家が「勉強し直して参ります」とか言うようなノリです。おべんきょー。
仕事忙しいんだからそっちに専念すればいいのに、忙しいほど頭は動きたくなる、余計なことをしたくなる。いや余計じゃないか。
本格始動は春以降なので今は日本版MOOCの講座受けて予習中。MOOC。むりょうでおとくなオンラインカレッジ。違う違わない。年度末で仕事がクソ忙しいのになぜ今やるのか、それは講座も年度で閉講するとこが多いから。たぶん来年度も同じの開講するだろうけど、受けられる時に受けとこうと。

仕事。例年3月末に納期がいくつも重なって「ちょっとはバラけてくれよ!」と叫ぶ、で今年は2月納期がいくつかあって、それはそれで、「なんで2月!?そしてなんで2月は2日も祝日があるの!?」と叫んでいる。2月つらい。

コロナの猛威はあっちこっち吹き荒れて、このクソ多忙な年度末にオミクロン何してくれとんねんと思う、今のところなんとか運良くすり抜けて来ている、が、もうこうなると罹患するまで時間の問題なんじゃね?とも思う、流行初期の頃にオミクロンの重症化率はただの風邪並みって説がまことしやかに出回ったけど、2度のワクチンと手洗いアルコール消毒とマスクと時差登校テレワーク…等々のあらゆる防疫網を突破してくるその感染力において「ただの風邪」じゃねえだろ、予想不可能な動きをしてくるウイルスである以上症状その他の影響も見切ったもんじゃねえだろ、と考える。

インフルエンザ発生数 過去10年間比較グラフ(2022/2/5速報)

出典:国立感染症研究所
地を這うオレンジ色が今年のインフル発生件数。インフルエンザウイルスを駆逐する勢いの防疫っぷり。ていうか手洗い・うがい・マスクでインフルエンザってこんなにふせげたんだなーって。

2年もこんな世界にいて、慣れたかっていうとぜんぜんで、あいかわらずうっかりマスクつけ忘れて出かけそうになるしいつかきっと飲みにも行きたいし、ニューノーマル(嫌な言葉だ)に馴染めないのは歳のせいなのかしら。