2019年3月13日水曜日

コメのタネ

ほう、種子法廃止とな…
地味すぎてあんまりニュースに取り上げられない法改正であるが、影響は広範囲で長期的なやつだ。
世に流布するタネはすべて交雑種F1世代という、業界では大前提の基礎知識をはじめて知った時の驚きを思い出すよ。

メシのタネ、稲種のはなし。
そもそもインド原産のイネという南国植物を日本の東北地方で栽培して、その上さらに冷夏であっても一定量以上の収穫を挙げるという奇跡なような難行は「水稲農林1号」によって初めて可能になったと、むかしに井沢元彦の講演で聞きました。
ササニシキもコシヒカリもすべては農林1号から。

東北の、ひいては日本の食を救った農林1号開発者はさぞかし日本中の米農家から感謝されて名声とお金を得たことろうと思いきや、新潟県農事試験場の並河成資技師・鉢蝋清香技師ともに不遇のうちに早逝されていて育種の厳しい現実を知る。
1つの品種の改良開発に何年何十年、それからやっと誕生した品種が農家の手に渡って作付けを増やしていくのにまた数年。気の長い話ですわ。コメをありがたがる人はいてもその開発研究者にまで思い及ぶ人はそんなにいないでしょうね。
即成果即増収、目標前年度比◯%アップ、みたいな企業とは相容れない業種だよなあって。いや育種に手を出す企業ならそのスパンの長さをわかってるとは思うけどさ。

コツコツじわじわやっていくしかない育種家が報われる仕組みだといいな。

わしわしミルキークイーンが好き。甘くてもちもち。冷めてももちもち。

あともち米だけど長兵衛玄米っていうのが好き。もち米なんでもちもち。あんまり売ってないので最近食べてない。この長兵衛玄米は販売してる会社が稲種管理してるって言ってた。でも長兵衛でイネ品種データベースで検索しても出てこないし原料は「複数原料米」になってるしちょっと謎なもち米。