2026年8月11日火曜日

ぺんぺん

マンガの話題。
齋藤なずなの『ぼっち死の館』、タイトル(から想定されるテーマ)に二の足を踏みつつ購入、読了。
齋藤なずな30年ぶりくらいに読んだ気がするけど絵も作風もあんま変わってなくて驚く。

まだ実家にいた頃だから30年以上前、母が購読していた「話の特集」に読切短編を連載していたのを読んだのが最初。「螺鈿の舟」だった。古い日本家屋独特の湿った空気、衣桁の螺鈿細工をなぞる子供の目線…というとても繊細な気配をあっさりとした線で描いていて、すごい描き手がいるもんだなあと思った。話の特集の連載はその後単行本『片々草紙』にまとめられた。わりとすぐ後に『迷路のない街』というニュータウンを舞台とした連作が出てそちらも読んだ。

少し後、特にその話をしたわけではないけど天野さんから「これカシワが好きそう」と言って齋藤なずなの『恋愛烈伝』を勧められた。こちらは当時まだ連載中だったので完結したら読むーと言って読みはぐったまま。

『ぼっち死の館』の巻末広告で近年に初期短編集など出ていること、文化庁の偉い賞など受賞されたことも知る。その受賞作『夕暮れへ』に片々草紙掲載の短編が再録されているそうで、30数年を経て日の目をみたり再評価されたりしたのはよろしいことだなと思う。

片々草紙だったか迷路のない街だったか、所謂「特攻崩れ」とええとこのお嬢が駆け落ち(というか勘当)したその後の人生…が描かれた一編があったなあ、特攻崩れというと終戦の時に二十歳だとしても今百歳超えかな、30年前の物語なのでそれだけ年月が経っている。あの世代が表舞台を降りて、片々草紙で中年サラリーマンとして描かれた世代が「ぼっち死」を迎えるお年頃になったのね。
やっぱり片々草紙に出てきた、幼少期に近所の戦争未亡人に可愛がってもらった風俗ライターさんとかも、設定的に今頃は七十代後半から八十代くらいになるのかな、どんな爺さんになってるのか想像するなど。

30年ってなんかこうくるっと人が入れ替わるperiodだよね。メンバー総入れ替えまではしないにしても構成が変わるというか。そりゃ世間の一般常識(common sense的な意味の)も変わるよね。
人生って長すぎんか、と考えてしまう。