2023年10月9日月曜日

おしまいの世界

ほらまたみつかった
なにが?
おしまいが

突如ランボーもどきのわしわしでございます。
それというのもこのところバタバタと身の回りでおしまいごとがあったのでなんだか気分はもうおしまいの季節なのでござんす。
お気に入りの喫茶店がなくなり、お気に入りの変な居酒屋がなくなり、物心ついた時からあった映画館がなくなり、物思うようになって以来通った本屋がなくなり、新時代を感じたビルが取り壊された。一世を風靡した音楽家も漫画家も死んでいく。
いつだってそういうものだ、今までだって何も終わらない時や誰も死なない日なんかなかったはずだ、とは思うものの、商店街のシャッターが閉まりだす時間みたいにあちらもこちらも立て続けに終わっていっておしまい感がすごい。

エンド・オブ・ザ・ワールド。
ワールド・オブ・ジ・エンド。
ワールド・オブ・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド。


その一方

20年ぶりに高知へ行ったら嬉しくなっちゃうくらい変わってなくて嬉しくなっちゃった。同語反復。
住んでる人にしてみれば、いやこっちだっていろいろあったんですよと言いたいことはあろうけど、なんか変わらなくて嬉しかった。

◇◇◇◇◇◇

今年は国家試験を立て続けに受けた年でもありました。まだ3ヶ月あるけど年内はもう受けないから過去形。
2種類受けたので2回官報に載ったはずです。測量士補と情セキュ取りました。下っ端の試験だから受験番号の掲載。測量分野では土地家屋調査士、情報処理分野では情報処理安全確保支援士が官報に名前載る最上位試験でいわゆる士業、バッヂ持ちですな。
なにかパッと見バラバラの分野の試験なのでむやみに資格コレクターになったように思われがちですが、そういうわけではなくてGIS関係の民間資格の受験要件が測量士登録とIPAレベル幾つ以上って規定があるんだな。
「地理空間情報システム」だから極めようと思うと当然地理空間(測量)の知識と情報システムの知識が必要になる。三角関数なんか教育に必要ないって言った政治家先生には想像もつかないであろう世界があるわよ。むしろ基本が読み書きそろばん三角関数よ。
今年の国家試験受験予定は終わりましたがGIS資格の受講と受験は続く。がんばる。

2023年4月3日月曜日

はるよ

 「今まで『若い女性が嫌い』とかそういうことはなかったはずなんですけど、なんかどうも新人の女性で仕事しててイラッと人がいるんですよね。何がどう悪いというのじゃないんですけど」
「自分より若い女子許せない人じゃないですか、いけませんねえ」
「それはいやだなあ。極力イライラしないように気をつけてはいるんですけど。でも『これを参考にして資料作ってください』って見せられた資料が昨年わたしの作った成果品だったりするとどうしても一瞬イラッとしちゃうんですよね」
「それはイラッとするなあ」
なんか昔ごりんが前職の頃に似たようなことを言っていたような。

3月の上旬はまだ多少余裕があったので小牧のオープンベースは行きました。
そのあと一気に忙しくなって土日出勤したり平日日中の士補講習会が終わってから出社したり無茶をしていたら過労死ライン超えたぞテメー。報告書の体裁でほぼまとめあげたと思っていた案件が納品2週間前に計算根拠からやりなおしになったわけよ、でもくじけないもん。直前にひっくり返されて作ってきたもの全部やり直しとか天野演出で慣れてるもん。いやな慣れだ。

4月になると仕事が落ち着いてあれとこれが忙しくなってきます。しかし以前はできなかったことがじわじわとでもできるようになっていくというのは、なんというかたいそう気分がよろしいですな。

2023年2月15日水曜日

光の演算

ちなみに下の翡翠鳥みたいな半透明物質の光線の拡散反射の演算をするのに使われる関数に「双方向散乱面反射率分布関数」と呼ぶものがあります。
双方向散乱面反射率分布関数。いいですねなんかもうこの怪しい偽医者のインチキな施術名みたいな。双方向散乱面反射率分布関数。無駄に口に出したい日本語。
英略語はBSSRDFです。余計ややこしなっとるとまではいかないけどあんまり略した感がないです。Bidirectional Scattering Surface Reflectance Distribution Functionの頭文字だそうです。

レイトレーシングは「光線をトレースする (Ray Tracing)」ですが、わしわしはずっとレイト・レーシング(Late Racing)と思っていたので真夜中のチキンレースが脳裏に浮かんで仕方がない。間違ったタグ付けの例。

2023年2月12日日曜日

God seeks again that which is passed away

くそ忙しい!くそ忙しいよ!
自分で選んだ道なので文句はないけど、夏はくそ暑く冬はくそ寒くそして毎日くそ忙しいよ!
とはいえ、後期の課題と試験が全部終わったので家に帰ればすこしゆっくりできるようになりましたよ。1月は死ぬかと思ったよ。年度末なんで仕事はターボかかって忙しい。
後期の授業ではコンピュータグラフィックス受講して、もともとたまにちょろちょろ触っていたBlenderを理屈からがっちりやって3DCGの出来栄えに感動したり、RやPythonでデータ分析したりしたよ。応用編はエキサイティングだよ。
レイトレーシングで内部散乱と吸収のパラメータをええ感じに調整して翡翠らしい不透明感を出すのに成功した画。もううちのPCちゃんではこれ以上演算させると落ちる。

来期は令和5年度測量士補の試験を受けることにしたのでまた3重のわらじを履くことになります。足がたりないな。なんだかんだで忙しいの好きなんかな。そうかも。「忙しい」って言いたいだけかも。

測量では当然のこととして、コンピュータビジョンや自然言語処理を学んでいても三角関数が基礎になっててびっくりするよ。上の画像の光の反射もランバートの余弦則とかで計算されてるわけよ、もうね、すべてのものが三角形で出来てるんだなって改めて思うわけよ。そりゃDEMからTINサーフェスとか作るから基本三角形なのはわかってるつもりだけど、それにしたってこの世は三角形でできているんだなあ。ここでぴんちゃんの「三角形の歌」を一曲。

AutoCADもちょっと使えるようになったので秋のAliceの舞台のめんどくさい図面描いたりした。ここでも三角関数。もうすべてが三角関数。

1月は忙しいの合間に久しぶりに芝居観に行ったよ。小劇場エンゲキの世界でまちづくりとか都市再整備とかが良いふうに描かれることないな。悪桔梗屋と悪代官みたいな。大企業はやりたい放題乱開発できて役人は賄賂でウハウハで農民は傷ついて、みたいな。時代劇かい。開発許可も農振除外も地方の市町長レベルでちょいちょい許可出せることじゃないとかそういうマニアックなことは横においとくとしても、なんだかなあ。

前にも書いたけど。わしわしは古いモルタルの建物とくねくねした細い路地が好きで電柱が好きでしかも道にせり出した古ぼけたバーや喫茶店の看板が好きで、でもどう考えてもちょっと大きめの地震が来たらすべて凶器でしかも避難も救助も阻む障害物になる。耐震化してセットバックして道路拡張して無電柱化して道路占用物は撤去するのが安全と安心のまちづくりっていうのは理屈の上ではすごくよくわかるわよね。
「安全規則は先人の血で書かれている」とよく言うけれど、都市計画だってたいがい血で書かれている。あの災害ではこいつで人が死んだ。あの災害ではこいつが復興を妨げた。でも慣れ親しんだ風景や好きな街角が「危険物です」と一掃されるのはなかなか感情がついていかない。ノスタルジーといえばそれまで。残しておきたいのは古い町並みなのか、古い街並みにいた幼い自分なのか、まあ、ノスタルジー。
そこには桔梗屋も悪代官も不正も賄賂も出てこなくてむしろまっとうに正しいことしか出てこないのに、こんなにも悩ましく胸痛む。芝居より目の前の現実のほうがエモーショナルに感じるから、芝居ってなんだかなあ、面白くないなあ、ってなった。