2017年11月17日金曜日

冬の擬態

熱の中、夢とも現とも思い出ともつかないなんか寝床のたゆたいに、「楽日の大黒振り落としすげー早かったよなー」と何度も記憶の再現ビデオがリピート再生されます。いやまあ一応寝てるんで要するに意識のはっきりした夢なんだけど、後半日程の大黒落としが早かったのは本当。楽日なんか早すぎてびびったのも本当。もうひと呼吸あるかと思ったらすぐバルト入ったよね。平岡さんの手腕か。



ブドウ球菌から肺炎マイコプラズマまで呼吸器系感染症なら任せとけみたいな抗生剤を処方されまして、やっと病状落ち着きました。弱ってるとそのへんにふつーにいる菌に負けます。そいや小屋入りの日に口唇ヘルペスの兆候が出て慌てて帯状疱疹の時の塗り薬とアシクロビルの残り服んで治めたな、処置が早かったので軽く済んだ。帯状疱疹再発じゃなくて良かった。


先日の週末あたり、前の職場の上司が写真展をやるから来てとか言っててまー行けたら行きますとか答えてたんだけどやっぱり行けなんだ。公演直後でしかも場所が旧額田郡(現岡崎市)の山の中のグランピング施設(バス14便)だったのだ、行けたら行きますの気持ちに嘘は無かったんだけど物理的にほぼ行けないやつだそれ。
元上司は会社員のかたわら林業やっててセミプロのカメラマンでとなんかもう属性てんこ盛りの人であった、「僕って変わってるかなあ?」とか訊かれてなんかイラっとして「ふつーじゃないすか、そのくらいわりとふつーっすよ」と答えたのを覚えております。会社員らしからぬ人ではあった、永沢さんとハト坊を足したような性格で。山の上のきこりのヒゲじい呼ばわりしてました。ある意味気の置けない人でしたが2度と部下にはなりたくない系。

グランピング施設では「秋はコタツに入って紅葉を見ながらBBQ!」とか推してるようですが、どう考えても寒いだろうそれ。大人しく室内に入んなさいよ。


芝居やるとなんかももちゃんのこと思うな、普段から折節思い出すのだけど、なんかそれよりもっと生々しくもっと身近に。こういうのももちゃん好きだろうなとか、これってももちゃんに見せたことあったっけとか、なんか、ひゅんと、あの頃自然にそうだったように自然に心に浮かぶ。

お盆みたいなものかしら。

2017年11月16日木曜日

回復途上

すっかりこじらせて38度台から36度台を行ったり来たり、難儀な週になりました。
このくらい病まないと夢から醒めないのかな、悪夢かな。
病院の最寄の処方薬局がそのちゃんと稽古帰りに寄ったデニーズの裏で、あー雨の日は特別メニューがあるんだっけ、とか、あれからたった3週間かそこら?と思ったり。

次へ次へ進むのです。今年の冬は早いのです。



踊り踊る人たち見ながらの書き付け。恒例の唐突なポエムかってやつですよ。

ROUND
螺旋に伸びあがる蔓
大きなアールで舞い降りる花弁
膨らむ葉先の露

LINEAR
直線は土から空へ、地から天へ
水面に映る垂直立像
逆しまに群生する葦の陰

GRID
水平に、直角に、交差する
斜めに、鋭角に、平行に、等間隔に
葉脈の空間認知作用
綾なす女郎蜘蛛の巣

CHOREOGRAPHY
丸くはない、線状でもない、格子でもない
丸くもなる、線にもなる、交差もする
掌から腕に沿って背骨に
くるぶし通過、かかとを経由して爪の先へ
風も入らない場所で
遠くから吹き渡ってくる




2017年11月12日日曜日

閑中病有

倉庫整理の日は一旦回復したのに翌日の会社でかなり辛くなり、土曜日は病人。
息をしても喉が痛くて悪寒が続く。
体温見ると心が折れるから計ってなかった、改めて計ると75分とかの半端微熱、あーもう焦れったいやつだこれ。パーっと熱出てサッサと治りたいのに。
熱出す体力が無いとかだったら嫌だなあ、年々低体温が酷くなります。体内出血のせいで血色素量は89をウロウロしてます。毎日が高地トレーニングでした、特に和装で歌って踊る辺り。気力で動いています。そのうち気力で空を飛びます。

気力が尽きるとおしまいなので芝居が終わるまではなんとかかんとか気を張っていますがその気張りのせいで衝突もします。拘りが過ぎるというか視野が狭いというか。芝居のこと以外考えたくない、ご飯はちゃんと食べた?とか早く寝なきゃダメだよ、とか、たまには台本から離れてリラックスしなきゃ、とか、そういう日常的な一切の配慮が煩わしい、そういう心境に陥ってしまって優しい人を傷つけたりもしました。猛反省しています。

どこまでこだわるべきなのか、どこで妥協するのがいいのか、ここで折り合うのが最善なのか、それは諦めなのか止揚なのか。
日常では諦め慣れていても、こういう時にこういう場で諦めたくないこともあります。大概たいがい、そんな大したことじゃありません。他人からしたらドウデモイイことです。それでも。

作演出家の頭の中にある声やリズムや姿や、舞台美術家が思い描いた整然としたシンメトリカルな画や、振付家が作り出したキレ良くうつくしい動きを、ここに目の前に表し出したいのです。イデアのパルタージュです。あの想念どもを分割し共有したい。そしてその上に自分を乗せたい。自分では力不足かもしんないと思っても、それでも諦めたくはないのです。お前では駄目だと言われても。妄執かもしんない、それでも。


なんで舞台に惹かれるんでしょうね。リテイクもアンドゥも無い世界。それでいてこんなキリキリに攻めた構造。それがいいんだな、きっと、それで脳汁が出るんだな、きっとね。

2017年11月10日金曜日

終了と片付け

そして『人工恋愛双曲線』全10ステージを恙なく終えました。おめでとうございます。ありがとうございます。
約10年ぶりの舞台復帰でした。アンケートには「新人の身体訓練がなってない」と書かれていましたがわしわしのことだと確信します。30年目の新人です。永沢さんにも「トウの立った新人がいるなあ、カシワに似てるなあ」と思われてました。水商売でお店変わるたんびにニューフェイス入店って冠するみたいな、そのたとえもちょっと違うな、まあいいや。
そいやダンス稽古中、「(役者を続けているうちに)急に身体が動くようになる瞬間がくるよ、今がそれだよ」という30年前ニワシュウに掛けてもらった言葉を思い出してました。あの頃維新派はまだ日本維新派でした。ニワシュウも松本さんも鬼籍の人におなりです。

稽古期間含めてもたったひと月、なんだかいろんなことがあった気がしますしアッというまの気もします。まあ、そういうものですね。泣いたり笑ったり雨降ったり台風来たり晴朗なれど波高かったり小屋入り直前に男と揉めるよーな揉めないよーなこちゃこちゃこちゃこちゃしたり寒かったり暑かったり熱出したり。
どう考えてもこれは風邪の発熱の前触れ、という体調で楽日を迎えたためせっかく好きな舞台なのに最後の記憶が朦朧としてる、解熱剤で乗り切りました。微熱でぼーっとしながら舞台立ったこの感じってなんか身に覚えある、あ、IKILLの大阪公演だ、と思い出す。頭がぽーっとね。

あの様な構造の装置ですので出演者による舞台転換が多く、これがまた転換稽古も少なくて大変だったのだけど泣かされたのだけど決まるべきタイミングで決まるべき形に決まるととても気持ちが良い。目の端にチラッと上手側の舞監さんと同時にハケれたのが見えて心の中でガッツポーズしたり。

苦手のLED照明下の重ねだって全部綺麗に重ねられるととても気持ちが良い。なかなか難しい。難易度のぶん達成感が半端ない。
直前の場面のそれぞれの会話の台詞が重ねることで一続きの長い文章になる、そういう仕掛けに泡坂妻夫の『生者と死者』を連想した。袋とじのプロローグなのです。

面白い作品だったと思うんですよ。変化に富んでて。案外ちゃんと、不木的なエロもグロもナンセンスもとんちも織り込まれてて。なんだかちょっとだけ現実の猟奇事件とシンクロしたような場面もあって。
去年見た例の予知夢?ではもちくんと台所の片付けをしながら「再演したいね~」とか言ってたっけ、解決編というか伏線回収編をやってもいいんじゃないかとは思う、でもこれはこれでこういう場でこういう作品でいいかとも思う。
こういう記念写真はゆうごりんぽいな。


千秋楽翌日は恒例の倉庫整理、今回はあまり恒例ではない大廃棄大会でした。破壊あっての創造です、古いもの捨てて新しいもの作りましょう、わたしたち。

2017年11月9日木曜日

オフィーリアと百万山姥

公演期間折り返しの月曜日。明るい午前中の七ツ寺前、イケリョウに会うなり「髪の毛ツルツルですね」と言われて咄嗟に「なおちんに聞かせられない言葉!」って頭に浮かんでイケリョウの挨拶に返答できず。何に反応してるんだわしわし。

髪の毛ツルツルなのは純黒に染め直したから~。
茶髪っていうほど茶髪じゃないけど少し明るめの茶黒にしてたんで黒髪に戻したくて、でも時間なくて、カラーリンスで黒くしようとしたけどあんまり変化なくて、カラーリンスって白髪しか染まらないのなあ?、で、やっと黒染めをしました。
夏休み明けの高校生御用達みたいなヘアカラー買ってきてさ。

暗記ガムと転換アンチョコで必死にこなした舞台もなんとか中日には落ち着いて演技プランを考えられるところまで来ました。あるんです演技プラン。死人の演技プランが。

3ステージ目だったか、目を閉じる前に明転しちゃって瞼閉じるタイミングを失い、ずっと目見開いてた。終演後に夢二さんから「過酷な演技プランを選択したんだと思いました」と言われる、いやうっかりですと説明したらイケリョウが「じゃ閉じてあげればよかったですね」と言うのでその提案を採択して目口半開きの死人になる。イメージはジョン・エヴァレット・ミレイ描く「オフィーリア」です。恍惚とした表情で死の渦に飲み込まれていく女性。
ミレイのオフィーリアでいく、と決めてから、登場から舞踏会(「パラノイア・ターン」池田振付)までの流れが頭の中で繋がってとても気持ちが良かった。

火曜。珍しく、おーしまが観に来てたらしいです。「カシワさん出てきた瞬間に声出して驚いてましたよ」とこじくんからの報告があり、本人からも申告がありました。「出てるの知らなかったからゲッて言っちゃったよ」ですって。ゲッて。言うにことかいてゲッて。文豪、ヒドい。
終演後は足早にそそくさと帰っていったとのことです。おーしまにはこの芝居イヤだったかもしんない、ラスト近くの連続ダンスの辺りとか。言い訳はしません、これが今お見せできる王者舘と天野天街のベストです。


昔おーしまが「今の王者舘には死んでる人がひとりもいない」って言いかたをしてたっけな、何もせつなくないって。そうなのかもしんない。死の向こう側からの望郷や恩讐やら、そんなものがそこはかとなくかもせればいいなと思うのだけど(死人の役だからというんじゃなくて)、なかなかホンモノの山姥にはなれません。なかなか。

2017年11月7日火曜日

その子どの子


わちゃわちゃした時のそのちゃんの似顔絵。


そのちゃんの芸名候補のバリ・ゴンゾーって虎馬鯨の命名だったっけ?

後半戦

暗転中にハケたモノやヒトが明転時にチラッと見切れてしまうのを「もれる」などと言いますが。
小返しの時、モレやすいモノの対策のためにいろんな方法を試してハイジさんが暗闇を走るプランを試した後、ハイジさんが震える声でぽろっと言った「わたし、モレそう」がツボにはまって。わたしモレそう。

小返し中にはっつんがやったそのこちゃんの顔真似がものすごい似てて「する!そのちゃんそういう顔する!」って膝を打ちました。4コマ漫画のオチみたいな顔。

月曜から秀太郎さんと交代で現場サイドの若手の舞監さんがいらしてます。噂には聞いていたけど爪が長いのでびっくりしました。バミり剥がしに活躍しそうなお爪です。

怒涛の3日連続2ステが無事に終えられてホッとしました。関係者に挨拶だけして帰ろうと串カツ田中に寄ったら姫子たぐちん岩村君とOBOGが揃ってたのでそのまま残ってちょっとお喋り。現役メンバーは土曜昼に集中してたみたいです。

田中ではすっかりいいカモ、いや常連さんになってますね。夢二さんがチンチロリンで4連続奇数出しました。確率的にどうなんですかそれ。わたし今んとこ偶数しか出してないので割り勘はなんか割に合わない気が微妙にする、いや結局こうして全体的には平均への回帰が起きているのか。


作品の評判は良いようです。
客観的なことはもちろんわからないけど、案外みどころてんこ盛りで緩急に富んだおもろい1時間半だと思います。

10月後半は台風と雨ばかりだったけど11月は気持ちいい秋晴れです。

あっという間にあと2ステージを残すのみとなりました。わたし芝居に気持ち残っちゃう方なので、早くも不木ロスが始まりかけてます。

2017年11月4日土曜日

むしのいき

なおちんのテーマ曲が決まったようです。

♪あれ松虫が鳴いている
♪チンチロ チンチロ チンチロリン

自分でお歌いでしたよ。
串カツ田中のいいカモになってるようです。

2017年11月3日金曜日

初日

はじまたー


そして突然のタコパ


2017年10月27日金曜日

電位と精神の過剰

日頃は宣言して明示的に定義したりーの数値化したりーのの世界が好きで、なんというかこう、見えてるものはコントロール下というかですね、整然としているのがスキでステキなんですけど、こういうことをしだすと途端に噴き出してくる自分の中のアンコントロールで過剰な感情や衝動に戸惑いながら、大笑いしたり大泣きしたりしています。そして感情以上にアンコントロールなのは自分の身体です。ノーコンと言ってもいい。

訓練やリハビリの末に脳内に新しい回路が出来る、シナプスが繋がってパルスが流れ出す瞬間てのがありまして、それを1つの到達点として身体に落とし込もうとしているわけです。反応反射音速光速。ちょっとまだ水路が怪しいので行き場のないパルスとパトスが溢れてダダ漏れなのです。イケリョウが根気よく教えてくれてたまに「よく出来ました」をくださいます。叱られると萎縮してますます失敗するタイプなので褒めていただくよりないのですが、さて褒められて伸びるのかどうか。いや、伸びるよ、朝顔だか蔦だかのようにくるくる伸び上がるよ。

稽古で疲労コンパイルな夜、かっちゃんが巨大おにぎりを作ってくれました。
濃いチューハイといいデカいおにぎりといい、かっちゃんは客に「足りない」と思われるのがものすごくイヤなんだろうな。

削れる時間っつったら睡眠時間くらいしかないんだもん、完徹明けのまま稽古行って踊ってその後も猛烈に寝てない週、会社の時点でもうふらふらだった、早く休暇に突入したい。

映画『アンナ・カレーニナ』の予告編見てた、舞踏会のシーン、手はせっせっせみたいなのしながら激しく踊ってたよ、なんであんな手と足がバラバラに動かせるかなあ。


この日記書くのに3日半かかってます。時間って速いわねー。

2017年10月23日月曜日

過ぎ去る

台風一過ですか。

嵐が過ぎ去って、青空と速い雲と風を堪能できる最高のお日和です。


嵐はいつも自分の中にあります。

2017年10月21日土曜日

たとえば、水仙

会社絡みで1日稽古をお休みする前日、自宅学習用に稽古を動画撮影。
映っていた自分の後ろ姿の緊張感の無さにかなり衝撃を受ける。
動いてる人間の後ろ姿じゃないよこの無防備さ、うつ伏せで寝てる人の背中だよ。ボブサップにのされた時の曙だよ(例えが古い)。
香箱組んでる猫の背中だってもっと一触即発の緊張感があるんだのに、まあなんたるちあ。
本域で修行します。2週間を切りました。

イムコウに「俺とかカシワとか物書きはつい自分を客観的に見ちゃうから、ナルシストにはなれないんだよナ」とか言われました。

そうかなあ、うぬぼれ屋さんじゃなきゃ物書いたり舞台に立ったりしないと思うけどなあ、うん、自惚れをやめれば他に惚れ手なし、ここに自分がいたらもっとカッコ良くなるよと思いつつそのイメージに一歩でも近づこうと。

2017年10月20日金曜日

このころ

来月の今頃は各務原で異機種大編隊を見ているのです、楽しみなのです。ええ、来月が楽しみなんですったら。

イムコウが打ち合わせの場で「カシワが白目剥いて踊ってる」とタレ込んでたよ、という逆タレ込みがありました。天網恢々因果は巡る陸蒸気。密告したことを密告される相互監視社会なのです。

目を回しながらたまにはイケハツ(=イケリョウ発のいいね!ポーズ)を貰って喜ぶ50がらみのボケ防止体操。いや、そうじゃなくて。

完全にシングルタスク脳なんですね、手を動かしながら別のリズムで足を動かす、歌いながら複数のステップを踏む、ちょっと集中力が切れると一瞬でどちらも崩壊する。そういや仕事と芝居の両立が不得手でもあった、二足のわらじが履けないタイプ。

ノってきたらもっといちびります。がんばってなんかいません的に。

楽しいですよ。でも寄る年波の冷や水で疲労困憊の末に気絶したよーに寝返りも打たず寝て起きたら肩が岩のように重かった、寝返り大事、超大事。

ウィークデイ用に4リットル鍋いっぱいに具汁炊くのも楽しい、念願の減圧鍋。これでもう調理中の寝落ちも怖くない、減圧調理サイコーです。

ランナーズハイかな、白目剥きながら楽しくて仕方ない。

大正時代の着物の着方、帯を胸高に締めた感じ、ちょっとタリアン夫人の流行らせたスタイルみたいなシルエットだなと思う。フランス革命のテルミドールクーデターの後の流行、ギリシア・ローマ風のドレス。


久しぶりに古い着物を大須やネットで見てまわるのも楽しい、結局しっくりくるのは手持ちのだったりするんだけど、それもまたよし。

2017年10月19日木曜日

10月後半

あと3時間眠りたい、あと3日踊りたい、あと3週間欲しい、まあそんなんばっかですわ。
なんか充実してますよ。ぎゅうぎゅう。